ファイターズ
≪荒木大輔のズバリ解投≫ 万波 成長感じた進塁阻止
■日本ハム4-6ソフトバンク(27日、ペイペイドーム)
敗戦の中、今後につながるプレーがあった。万波だ。五回の同点弾は当然、素晴らしいが、四回の守備に大きな意義がある。グラシアルの右前打を素早く処理し、ノーカットでストライク送球。二塁への進塁を阻止した。無死二塁になっていれば、追加点を奪われる可能性は高まっていた。
万波はオープン戦19打席無安打でシーズンイン。開幕2連戦も途中出場ながら安打が出ていなかった。私は20年まで2軍監督を務めさせてもらった。万波は、打撃不振が他のプレーにも影響する選手だった。集中力を欠く場面もあった。
だが、今年は違うようだ。目の前の1プレーに対し、必死になっている。直後の五回には同点2ラン。あの送球がリズムをつくり、打席にも好影響を与えたのだろう。内面の成長を証明してくれた。昨季まで2軍を指導していた紺田・外野守備走塁コーチもうれしかったはずだ。
本塁打も大きい。3三振はあったにせよ、一発長打が魅力の選手。この一本で状態を上げてくれるだろう。相手バッテリーにとっては嫌な存在だ。
開幕3連敗は正直、痛い。でも、あすからは本拠地での戦い。気持ちを切り替え、再スタートを切ってもらいたい。(本紙評論家)