ヴォレアス V2初優勝 今季限り引退・越川涙の19得点
■Vリーグ2部 ヴォレアス北海道3ー2富士通(27日、深川市総合体育館)
V2男子首位のヴォレアス北海道が初優勝を果たした。2セットを奪った時点でヴォレアスの優勝が決まる条件付きの中、2位・富士通と対戦。今季限りで現役を退くことを表明している元日本代表・越川優(37)がチーム最多の19得点を挙げるなど、3―2で逆転勝利。試合後には越川の引退セレモニーが行われた。4月9、10日にV1最下位のVC長野と入れ替え戦(神奈川・小田原アリーナ)を戦う。
セットカウント1―2で迎えた第4セット。初優勝を決定づけるまであと1点で、セッター浜田翔太(31)がトスを上げた先に走り込んだのは越川だった。しっかりとサイドラインに打ち込むと、満員の会場のボルテージは最高潮に達した。「悲願のV2優勝。試合中もいろいろいろとこみ上げるものがあった」と越川。道内最後の公式戦を勝利で締めくくった。
2年連続で苦杯をなめてきた王者に、三度目の正直でリベンジした。佐々木博秋主将(27)は「雰囲気などをみていたら、危ないとは思わなかった」。1月15日の対戦でも1セット目を落としてからの逆転勝利。苦手意識を払拭し、富士通の5連覇を阻止した。
試合後に行われたセレモニーで越川は、3度宙を舞った。「みなさんの応援のおかげで優勝という最高の形で終えることができました。(優勝は)ヴォレアスに来た一つの目標でした。クリアすることができて少しほっとしています」とあいさつ。大きな拍手に包まれ、一瞬目を潤ませた。
エースの離脱もチームの力に変換した。26日の大同特殊鋼戦で右膝を負傷した張育陞(チャン・ユーシェン、21)がベンチを外れ、代わりに先発したルーキー・関根ヒカル(22)が自己最多の17得点。今季514点を挙げ、MVPと総得点のタイトルを獲得した大黒柱の穴を必死に埋めた。一気に台頭した関根は「いつでも出られる準備をしていきたい」と意気込んだ。
越川にとっては2週間後の入れ替え戦が、本当に現役最後の戦いだ。「もう一つの目標を果たして、このユニホームを脱ぎたい」。V1昇格を置き土産に、心置きなく28年間の競技人生に幕を下ろす。