高校野球
北海1年生エース熊谷が9奪三振完投
■秋季全道高校野球支部大会(15日、札幌円山ほか)
札幌支部は代表決定戦が行われ、今夏の甲子園に出場した北海が6―2で北海学園札幌を下した。先発の熊谷陽輝投手(1年)が9回2失点で完投。2年連続41度目の全道大会進出を決めた。
北海が兄弟校対決を制し、道大会出場を決めた。1年生エースの熊谷が9奪三振の好投。公式戦初完投に「最初から9回を投げるつもりでいた。勝てたのでうれしい」と満面の笑みを浮かべた。
緊張したのは立ち上がりだけ。一回を無失点に抑えると、落ち着きを取り戻した。二回から5イニング連続で先頭打者の出塁を許したが、要所を締めて2失点に抑える投球。141球の力投で9回を投げ抜いた。
185センチ96キロ。恵まれた体格から繰り出す最速141キロの直球が持ち味だが、この試合、随所で光ったのは前エースから教わったスライダーだった。大会前、ドラフト候補の木村大成投手(3年)から握り方を伝授され、従来よりも縦に落ちるように改良。同点の六回2死一、二塁で空振り三振を奪うなど、幾多のピンチをスライダーで切り抜けた。
夏の甲子園から帰道後、下宿の部屋を引っ越した。木村やDeNA阪口皓亮投手(22)が使っていた“出世部屋”だ。背番号も偉大な先輩たちが背負ってきた「1」を受け継ぎ、「プレッシャーや期待は感じる。自分がやるしかない」とエースの自覚が芽生え始めている。
夏の甲子園出場で新チームの始動が遅れた。コロナ禍で実戦も積めなかった。それでも第一関門を突破した。3季連続甲子園出場をかけた道大会に向け、熊谷は「きょうみたいな気持ちの入ったピッチングをしたい」と意気込んだ。
(島山知房)