コンサドーレ
2022/04/01 23:45

京都から完全移籍GK松原修平が語った〝札幌愛〟

札幌のアカデミー出身で、京都から加入したGK松原が全体練習に合流

 北海道コンサドーレ札幌に京都から完全移籍で加入したGK松原修平(29)が1日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場での練習に合流した。

 下部組織出身の道産子。12年ぶりに札幌の練習着に袖を通し「プロになりたいきっかけをもらったクラブ。(札幌でのプレーは)ずっと目標にしてきてほぼ諦めかけていたが、このタイミングでオファーがきて、ここでプレーすることになってうれしい」と声を弾ませた。

 U―18からの昇格はかなわなかった。「トップチームでプレーできなかったことがずっと自分自身のコンプレックスだった」と松原は言う。それは「見返したい」という強烈なモチベーションであり、「いつかオファーしてもらえる選手になる」と心に秘め、一歩一歩キャリアを重ねてきた。

 岡山から始まったプロ生活。讃岐、群馬、湘南とさまざまなチーム、カテゴリーで経験を積んだ。今季は京都でキャンプインした。「憧れのクラブ」とはいえ、わずか3カ月でチームを変える決断が簡単でないことは、言葉の端々から伝わってきた。

 「オファーをもらってうれしかったが、京都も今年、僕のことをとってくれて。曺貴裁監督をはじめ、すごくお世話になった方も多いし、残ってチャレンジしたい思いもあった。でもこんなチャンスは二度とないと思った。奥さんに移籍の相談をしたときには感極まって、熱くなっちゃって。やっぱり札幌に行きたいのだと。奥さんと2人で話し合って決めた。結構迷った」

 大きな決断、覚悟を決められたのは家族の支えがあったからこそ。「奥さんは群馬の人。京都に引っ越してまだ2、3カ月。大変な思いをしているけど、『小さい頃からの夢を後押しする』と言ってくれた。『寒いのはちょっと嫌』とも言っていたが、しっかり支えると伝えてくれた」と感謝した。

 函館市で生まれ、千代台公園陸上競技場で当時のGK佐藤洋平さんのプレーに憧れた。「サッカーを始めるきっかけも、プロチームを初めて見たのもコンサドーレ。自分の幹はコンサドーレ」と言う。地元クラブに全身全霊を捧ぐ強い覚悟をもって、舞い戻ってきた。

 合流初日。ロッカールームでは、ユース時代をともに過ごしたMF荒野拓馬(28)や深井一希(27)らが迎えた。「中学時代の恋愛事情を話されて、恥ずかしかった」と苦笑い。後輩からは早速、手荒い歓迎を受けたようだ。

 「個人の目標はどうでもいい。チームの一員としてまずはけがなく、本当にアジアに行くための手助けをしたい。そしてアカデミーの選手に、回り道をしてもコンサドーレの選手としてプレーできると、試合での活躍、宮の沢での取り組みで見せていきたい」

 赤黒の誇りを持った、頼もしい守護神が加わった。

関連記事一覧を見る

あわせて読みたい