大海 重い2失点…6回88球熱投もオリックス・由伸に「粘り負け」
■日本ハム0-7オリックス(2日、京セラドーム)
日本ハムは2日、敵地でオリックスと対戦し、0―7で完敗。2戦連続の0封負けで、開幕から3カード連続となる負け越しが決まった。今季初先発した伊藤大海投手(24)が6回2失点と好投したが、2番手の古川侑利投手(26)が0―2の七回に登板し、5失点と突き放された。打線は、オリックスのエース右腕・山本由伸投手(23)の前に七回まで無得点。3度の得点機を生かせなかった。終盤の八、九回はリリーフ陣を攻略できなかった。
「先に降りることなく、投げ切りたかった」
今季初先発で試合はつくった。それでも、さらなる高みを目指す伊藤は満足していない。1学年下だが「山本さん」とリスペクトする相手エースとの初の投げ合いで、先にマウンドを降りたことが悔しかったからだ。
「(相手)エースに粘り負けです。やっぱりエースになりたいからこそ、先に(マウンドを)降りるようなことなく、投げ切りたかったというのはあります」。
一回は3者凡退と幸先の良いスタートを切ったが、二回先頭の吉田正に死球を与えてリズムを崩した。「神経質になりすぎて球数も多かった」と2本の適時打で2点を失った。三回以降は無失点で切り抜けたが、二回の2点が最後まで重くのしかかった。
打線も奮わず2戦連続0封負け
味方の援護なく、6回88球を投げて6安打2失点で降板。「僕は全然いける体でしたし、いく気満々でした。『ちょっと我慢してくれ』ってことだった」。次回登板を見据えて早い回での交代となった。
今季初黒星を喫したが、球界を代表する投手とのマッチアップは格別だった。「勝ち負け関係なく、楽しかったのは楽しかった」。山本とは昨夏の東京五輪で共にプレー。主戦として金メダル獲得に貢献した右腕と間近に接し、驚いたエピソードがある。
「オリンピックの試合前に釣りの動画を見ていて、びっくりしました。釣り好きなのは元々知っていたんですけど、まさか試合前に見るとは。オン、オフ大事にしているんだなと思いました」。普通の投手なら緊張してしまう登板直前、リラックスムードで過ごす姿に関心させられた。
今は、追いかける存在だが、同世代として負けてばかりはいられない。同じリーグの山本とは今後も投げ合う可能性があり「もちろん、負けたくない。相手投手を苦しめられるよう、引けを取らない投球をしていけたら。どんどんいろんな好投手をぶつけてほしい」と言葉に力を込めた。
エース級との投げ合いも望むところ。日本ハムのエースを目指す男にとって、この日の悔しさもすべてが原動力になる。