宇佐見 幸運!「やっちゃった…」がサヨナラ打
■日本ハム3ー2ロッテ(6日、札幌ドーム)
2017年以来の劇打
誠実な女房役が試合を決めた。宇佐見真吾捕手(28)が、巨人に所属していた2017年8月19日のDeNA戦でサヨナラ本塁打を放って以来の劇打で、チームに遠かった2勝目をもたらした。
2―2で迎えた九回無死一、三塁。宇佐見がロッテ・広畑の投じた直球を振り抜くと、打球は左翼線へ高々と舞い上がった。浅い左飛に終わると思われたが、左翼手の前にポトリと落ちた。「やっちゃった…」と悔やんでいた宇佐見も、まさかの結末に「フェアゾーンに落ちると思わなかった」と驚きの表情を見せた。
日頃見せている献身的な姿が〝ツキ〟を呼び込んだのかもしれない。イニング間の投手交代時、宇佐見はいつもベンチから駆け出し、一目散にマウンドへと向かう。「できるだけ準備の時間を短くしてあげたい」とプレートの土を払うなど、マウンドの状態を整えて投手を迎える。
巨人時代の先輩・小林から影響を受けた行為だった。「誠司さん(小林)がやっているのを見て、いいなと思って始めました。自分がやれる限りは続けていきたいです」と、引退するまで投手への思いやりは欠かさないつもりだ。
大きな打撃改造も実を結びつつある。昨季終盤から西武・栗山を参考にした打撃フォームに変更。さらに、春季キャンプ中に新庄ビッグボスから左手の使い方に関する助言もあった。「(元メジャーリーガーの)バリー・ボンズの使い方みたいなものを教えてもらった」と明かした。
オープン戦、そしてシーズンに入ってからも手応えは上々だ。「しっかりボールを見られるようになっている。コンタクト率も前よりは良くなっているので、そこはいい成果が出ていると思う」とうなずいた。
連敗は脱出したが、2勝9敗と、まだ借金は多く積み重なっている。ヒーローインタビューで「今年は思い切りよく振っていこうとキャンプからやってきたので、それを見てほしい」と宣言した宇佐見。今季は自らのバットで多くの白星を呼び込んでみせる。