北山 うれしいプロ初勝利 「教授」の異名持つドラ8ルーキー
■日本ハム3ー2ロッテ(6日、札幌ドーム)
お立ち台で「最高です!」
開幕11試合目にして、プロ初勝利が転がり込んできた。初めて本拠地のお立ち台に上がったドラ8ルーキーの北山亘基投手(22)は、360度を見渡しながら律義にファンへあいさつした。
「最高です!」と甲高い声で絶叫。「まさかこのような形でプロ初勝利をさせていただくってことは、想像もしていなかったので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです」と初々しさものぞかせた。
2―2の九回から4番手で登板し、1死一、二塁とピンチを招いたが無失点で切り抜けた。その裏「同点だったら回をまたぐと言われていたので、ベンチの後ろの方で精神統一してました」。チームはサヨナラ勝ちを収め、笑顔で勝利のハイタッチの列に加わった。
新庄ビッグボスが相手ベンチに歩み寄り、ウイニングボールを回収。指揮官から「おめでとう」と声を掛けられ、勝利球を手に記念撮影した。「どこに行ったか分からなくなっていたので、探してくれました。うれしかったです。役柄的にも(勝利は)ないと思っていたのですが、家族に渡したい」とはにかんだ。
3月25日のソフトバンクとの開幕戦(ペイペイドーム)では、球団66年ぶりの新人開幕投手を務めた。クローザーの役割も期待され、緊迫した場面での登板が多いが「ビハインドの場面でも、同点でも、勝ち越していても常に同じように集中している」と言う。
心身整えるルーティン
新人らしからぬ強心臓の裏には、学生時代からのルーティンがある。投球開始前にバックスクリーンを向き、両手を掲げ、背伸びをしてからかかとを落とす。「センタリングといって、体の中に軸を通す意味合いです。ぼくの場合は縦のラインを見つけて、それに合わせて伸びをしてから、かかとをストンを落とす。体の軸を意識するのと、メンタル的な意味でもしっかり軸を持ちたい」。いつも心と体を整えてから第1球を投じている。
そんな研究熱心で真面目な性格から、エースの上沢がつけたニックネームは「教授」。チーム内でも浸透しつつあり、この日はお立ち台にともに上がった捕手の宇佐見からも呼ばれた。「そこまで頭いいわけではないので、教授キャラでインテリ系と思われてもそれはまずい」と苦笑い。「ほどよく広がってくれれば」と謙虚に話した北山だが、教授のニックネームがしっくりくる。