ファイターズ
2022/04/07 00:15

清宮2号ソロ 前夜の悔しさ晴らす一発 「たくさん、ビッグボスに勝利を届けたい」

四回無死、右越え本塁打を放ち笑顔を見せる清宮(大石祐希撮影)

■日本ハム3-2ロッテ(6日、札幌ドーム)

 打球がスタンドに到達する瞬間を見届けたビッグボスは円を描くように両手をグルグルと回し、満面の笑みを浮かべた。前夜とは正反対のリアクションが、ファイターズの未来を背負うスラッガーに送られた最大級の賛辞だった。

 5年目の清宮幸太郎内野手(22)が1点リードの四回無死から、右翼席へ2号ソロを放った。喜びは控えめに「きのうの分です」と強調。悔しさを晴らす一発となり「あんなチャンスでヒーローを逃しているので、きょうは絶対に打ってやろうと思ってました」と語気を強めた。

 5日の試合は代打で登場した。2点を追った七回1死満塁。カウントは打者有利の3―0だった。相手投手は制球に苦しんでいたが、新庄監督から強気に「打て」のサインが出た。しかし、真ん中付近の直球を見逃し、フルカウントから捕邪飛に倒れた。ベンチでは消極的な姿勢をあらためるよう、諭されていた。

 指揮官の言葉を受け止めた上で、培ってきた感覚と打撃映像を照らし合わせてフォームの修正を試みた。「どうしても手だけでいってしまっていた。手だけでいくと動きのエラーが出てくるので、しっかり下半身からの連動で打てるように調整しました」。

 今季初のサヨナラ勝ち。「優勝は目指しません」と新庄監督が公言していても、清宮は勝利に飢えていた。負けがこんでいることで、チームに逆風が吹いていると想像。あえて自らの考えを口にした。「めっちゃ勝ちたいので。僕はSNSとかやってなくて全然分からないですけど、10戦で1勝しかできていなかったので、たぶんいろいろなこと言われてるんだろうと。僕たちの力不足でしかない」。

 選手の成長を誰よりも願う監督を喜ばせることが、モチベーションの一つだ。「たくさん、ビッグボスに勝利を届けたいので。やっぱり、勝たなきゃつまらないので」。野球小僧に戻って、全力で楽しみながら、勝利を目指す―。ボスの教えを忠実に守りながら、清宮はスター街道を駆け上がる。

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