札6道文教大 樋越総監督&高橋監督が強力タッグ〝かつての宿敵〟が3年で1部昇格導く
札幌6大学野球3部リーグ所属の道文教大は7日、樋越勉総監督(64)と高橋葉一監督(56)の就任会見を行った。道内大学野球では、二人合わせると合計38度のリーグ優勝を果たしている。現在、同大野球部の部員はわずか21人だが、3年後の1部昇格と、将来の日本一を目標に掲げ、二人の名将が、新天地で新たな旋風を巻き起こす。
現在札幌6大学野球3部リーグ所属
道内大学野球界に、強力タッグが誕生した。3月まで東都2部の東農大で指揮を執っていた樋越総監督は「ぜひとも日本一を狙っていきたい」と下克上を宣言。まずは3年かけて札幌6大学の1部にのし上がり、強豪大へと変貌を遂げていく。
樋越総監督が東農大網走の監督をしていたころ、同大の副学長を務めていたのが現在の道文教大・渡部俊弘学長(69)だった。その縁があって声がかかり、「ぜひとも、お力になれたら」と樋越総監督は引き受けた。口説き落とした高橋監督へは「宿敵のライバル。何度もしのぎを削って代表の座を争った。年下ですが、認める人間の一人」と全幅の信頼を置く。
樋越総監督が現在も東都大学野球連盟の副理事長を務めているため、実質的な指揮は高橋監督が執る。「25年前に初めて大学野球のユニホームに袖を通した時よりも興奮しています。『一念岩をも通す』。この思いと決心をもって、初志を貫徹し、近い将来、必ずや全国屈指の強豪と言われるような大学に育て上げたい」と声を弾ませた。
計38度の1部リーグV プロ選手を多数輩出
二人とも前任の監督時代にプロ選手を何人も輩出した。指導方針も「人間形成」と共通している。樋越総監督は「勝つことは前提ですが、立派な社会人に育てたい」。高橋監督も「しっかり学生を指導していきたい」。その上で、もう一度、プロ選手を輩出していくことも視野に入れている。
現在の部員は、各種国家資格取得を目的の一つとして入学してきた選手が多く、野球で将来を考える選手は少ない。理学療法士を目指している黒田雄大主将(3年)も「素晴らしい監督。この二人なら僕たちの現状や意識を変えてくれる」と、名将の就任によって意識が少し変わったようだ。
初陣となる春季リーグ戦は5月3日に開幕予定。黒田主将は「気持ちは全勝。入れ替え戦を目指して戦いたい」。新たな伝統への1ページを刻み込む。
■プロフィール
樋越 勉 (ひごし・つとむ) 1957年4月13日生まれ、東京都出身。90年に東農大網走の監督に就任。道6大学野球で優勝28度。97年に全日本大学選手権8強。明治神宮大会では2度の4強入り。日本ハムの玉井大翔投手(29)、ソフトバンクの周東佑京内野手(26)ら多くのプロ野球選手を輩出。2017年で退任。18年から東農大の監督を務めていた。東都大学野球連盟副理事。
高橋 葉一 (たかはし・よういち) 1965年8月1日生まれ、上砂川町出身。東海大四高では主将で遊撃手。東海大卒業後、札幌倶楽部監督を経て97年に道東海大監督に就任。2010年まで所属した道学生野球連盟と、札幌移転後の札幌学生野球連盟で合わせて10度のリーグ優勝。17年の全日本大学選手権で4強に進出。日本ハム・今川優馬外野手(25)らを指導した。