ファイターズ
《岩本勉のガン流F論》3回0封の西村に先発のチャンスある
■日本ハム5-8楽天(9日、札幌ドーム)
敗戦の中、一人の投手がアピールに成功した。四回から2番手でマウンドに上がった西村が3回を1安打無失点。奪三振は「5」を数えた。
ただ、完璧とは言い難い。1イニング目はボールを、自分の身体を操ることができていなかった。力みきって平常心を失い、フォークボールは大ワンバウンド。被安打1だが、何とかしのいだ印象だった。
それがイニングをまたいだ五、六回は、まるで別人。ファウルが取れる強いストレート。縦のスライダーとフォークはいずれも空振りを奪える。“後者”こそが、本当の西村天裕と信じたい。
もうプロ5年目。投げてみなければ分からないではダメ。調子の良い悪い、相手もある。それでもマウンドに上がった「ヨーイドン」から自分を表現していかなければならない。ある程度の緊張は必要だが、球場を見渡せる余裕もほしい。それがベンチの信頼につながり、より厳しい場面での登板も増えていく。
先発の河野は3回KO。西村は3回を無失点。しかも後半の2回は頼もしい限り。「先発のチャンスをあげてみようか」となっても不思議ではない。この日の3イニングスは首脳陣への大きなメッセージになったはずだ。(本紙評論家)