ファイターズ
2022/04/12 05:00

新庄ビッグボス 中4日ローテ貫く 常識に一石投じる攻めの改革

セオリーにとらわれない策を次々と講じるBIGBOSS。すべては選手のため、チームの勝利のためにある

 日本ハムの新庄剛志監督(50)が先発ローテーションにメスを入れ、シーズン通して中4日を軸に編成していく方針を打ち出した。10日の楽天戦(札幌ドーム)はエースの上沢直之投手(28)を中4日で起用。5回無失点の力投を見せていた。今後も球数をセーブしながら、信頼度の高い主戦級を短いスパンで送り出し、試合序盤の主導権争いを優位に進めるつもりだ。ビッグボスの攻めの改革はまだまだ続く。

登板間隔短縮のメリット多数

 現代の潮流に逆行し、先発投手の登板間隔短縮を推進する。ビッグボスは、日本球界のスタンダードにとらわれず、工夫の余地を探っていた。メリット、デメリットをてんびんに掛けた上で「今年のファイターズは中4日で行かせます」と宣言。「個人の成績でお金を稼がせる。チームにリズムを持ってきてもらう方法」と説明した。

 日本では先発6人制が基本。中6日で1週間に1度ずつ登板する。疲労回復のため、間隔を空けることはあっても、縮める機会は少ない。現状、短期決戦やオープナー以外、中4日はレアケースになっている。

 指揮官には考えがある。「一回から五回までをうまく打ち取れるテクニック(が大事)。球数を減らして。中4日で勝ち星を増やしたらよくない? 最高だよね。年俸がバーンって上がるし、テクニックも覚えられる」。長いイニングを投げない分、登板数は増える。リードしてバトンを渡す試合が増えれば、勝ち星を荒稼ぎできる可能性もある。

 布石はあった。1イニング限定が多かった中継ぎ陣に複数イニング制を導入し、ロングリリーフ要員を増やした。早めの継投を意識して準備を進めてきた。

 少数精鋭の先発投手は調整を含めて、慣れない登板間隔への適応力が求められる。球数を90球程度に制限したとしても、故障のリスクは無視できない。当然、新庄監督は投手コーチやトレーナーと連携し、細心の注意を払うつもりだ。

 近い将来を見据え、限られた戦力で勝ち抜くための土台をつくる挑戦。難度の高い作戦の成否が注目される。

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