加藤 幻惑スローカーブで今季初勝利! 6回⅔を4安打無失点
■日本ハム3-0西武(12日、ベルーナドーム)
躍動感あふれる93球
躍動感あふれる93球だった。前回登板から中5日で先発した加藤貴之投手(28)が西武打線を相手に6回⅔を投げ、4安打無失点に封じ、3度目の先発登板で今季初勝利を手にした。
「野手にも、中継ぎの玉井、堀、北山にもいつも迷惑をかけているので、長いイニングを投げたいなと思っていた。僕もちょっとはうれしかったです。まだ1勝だと思って、次に向かって頑張りたいと思います」。
いつものように安定した立ち上がりを見せると、どんどんリズムに乗った。2点リードの七回2死一、二塁。「ツーアウトだったんで投げさせてもらえるかなと思った」と本音ものぞかせたが、新庄監督がマウンドへとやってきて交代を告げられた。「まあ、仕方ないですね」としっかりと受け入れ、信頼できるリリーフ陣にバトンを託した。
13球投じたスローカーブが要所で効いた。100キロ前後で打者を幻惑するボールは左腕の大きな武器で、改良を重ねてきた球種の一つでもある。プロ入り当初は今よりも球速を落としていたが、打者が思ったように反応してくれなかった。「100キロ切らないぐらいのカーブを投げたい」と現在のスローカーブに行き着いた。今では投球の組み立てに欠かせない球種となっている。
シーズンを戦う上で、ポメラニアンの愛犬・ポンちゃん(5)が癒やしの存在だ。普段はポーカーフェースを崩さず、打者を仕留めていくのが印象的だが、当然愛犬には接し方も変わる。それでも「みんなと接し方はたぶん変わらないですよ」と表情を崩した。
球数少なく中5日に対応
中5日の影響を全く感じさせない投球で、チームに今季初の連勝を呼び込んだ。球数を少なくイニングを稼げる加藤は、中4日や中5日といったローテ構想を描くビッグボス野球には、うってつけの存在となる。「監督にやれと言われたらやるだけなので、全力で頑張りたい」。チームのために腕を振る―。入団したときから、その姿勢は変わらない。