ファイターズ
2022/04/12 23:55

打率驚異の.419! 4番・松本剛先制打  勝利呼ぶ猛打賞&2盗塁

打った!走った!!4番で先発した松本剛は先制打含む3安打2盗塁と大暴れ。プロ11年目の苦労人が再ブレークへアピールを続ける

■日本ハム3-0西武(12日、ベルーナドーム)

 無双状態だった。2試合ぶりに4番で起用された松本剛外野手(28)が先制適時打を含む3安打&2盗塁で今季初の連勝を呼び込んだ。

 一回1死二、三塁。カウント1ー0からスライダーを左前にはじき返した。結果的に、これが決勝点となった。「4番ということで、チャンスで回ってくる機会が多いと思っていました。準備はできていましたし、とにかくヒットを打ちたいと思って打席に入りました」。浮かれることもなく、敵地のヒーローインタビューに臨んだ。

 四回はカウント3ー1から直球を右前打。八回は追い込まれてからスライダーを中前に運んだ。直球の読みが外れても、ためをつくりながらヒットゾーンに落とす。「しっかり(頭の中を)整理して打席に入っている。割り切りもできていますし。思い切っていけているところが大きいかな」と状態の良さを感じ取っていた。

 また、四回と四球で出塁した六回はいずれも、盗塁を成功させた。わずか15試合(出場13試合)で7個目。2017年(6個)を上回るキャリアハイとなった。急激な増加について「足は今年、動いている感じが自分の中である。あとは、盗塁に関してはビッグボスのおかげだと思います」と強調した。

 細かな技術は、キャンプ中に上積みがあった。元陸上選手でタレントの武井壮氏、盗塁王5度の赤星憲広氏が新庄監督の呼びかけに応じて臨時コーチを務めた。ここで専門的な知識を学び取り「少なからず生きていると思いますし、自分の中でも速くなっている感じがある。塁間とか走っていて」と効果を口にした。

 メンタル面のプラスもあった。シーズン中はベンチで新庄監督が配球を読み、フォークやチェンジアップなど、捕手が送球しにくいタイミングを見計らって盗塁のサインが出る。これが迷わず、スタートを切る動機になり「(仮に失敗しても)ベンチの責任になるじゃないですか。そのくらい思い切りいっていいよ、というふうに言ってくれている」と感謝する。

打率と盗塁はともにリーグトップ

 打率.419と7盗塁はリーグトップ。ビッグボスが就任当初から構想の一つとして挙げている「走れる4番」にフィットする。

 ただ、本人は「いや、ちょっと違う。イメージしていた人と違うと思いますけど(笑)」と、手術を受けてリハビリ中の五十幡に触れつつ「チャンスで回ってきた時は、よっしゃあという感じで貪欲にいこうかなと思います」と気を引き締めた。

 規定打席到達は過去に1度だけ。コンバート、打撃スタイルの変更も経験した。地道な努力を惜しまなかった11年目の苦労人は今、大輪の花を咲かせようとしている。

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