2番手・輝星 2回パーフェクト 好投&気迫ダイブでチーム鼓舞
■日本ハム3ー4西武(13日、ベルーナドーム)
持ち前の真っすぐが、うなりを上げている。吉田輝星投手(21)が、4点ビハインドの四回から2番手で登板した。伸びのある直球を軸に2回をパーフェクト投球。相手に傾いていた流れをせき止め、中盤以降の追い上げにつなげた。
3月27日のソフトバンク戦に先発し4回3失点だったが、その後はリリーフに回って4試合連続無失点。6回を投げ、被安打はわずかに1本。「ちょっとでもテンポ良くとか、最後のバッターで三振取ったりとか考えて、流れが戻ってくるピッチングを心掛けています」と勢いあふれる投球を続けている。
阪神の藤川球児スペシャルアシスタント(SA)直伝の「火の玉ストレート」習得も近い。「藤川さんから教えてもらったフォームも、自分でどうなっているかとか、映像を見なくても分かるようになってきている」と話すように、伸びのある直球は打者のスイングよりも上を通過。落差のあるフォークとのコンビネーションは効果抜群だ。
さらにこの日は清宮の〝失策〟を帳消しにした。五回1死、西武・岸の放った一塁へのゴロを一塁手・清宮がはじいてしまった。しかし、一塁ベースカバーに走っていた吉田は転倒しながらもしっかりと捕球した。最後は、はいつくばるようにして、一塁ベースにタッチ。間一髪でアウトに取った。
「あれはキヨさん(清宮)が悪いです。1発でヘッスラしようと思っていたんですけど、あまりに(ベースまで)距離が遠すぎて、地面をバタフライしてしまった」と笑いながら振り返った。
首脳陣は1軍のレベルに慣れさせる意味も込めて、吉田を中継ぎ起用している。昨季の沢村賞右腕・オリックスの山本も、2年目はリリーフを全うした。「中継ぎの大変さも最近分かってきた。そういう気持ちを分かった上で、できるだけ長いイニングを投げられるように、先発に戻って勝ち星を稼ぎたい」とスターターへの思いは強い。いずれ大エースとなっていくためにも、今は1軍での1球1球が大きな財産となる。