田中 2軍で5回無失点の快投 「今までできなかった粘り」
■イースタン 日本ハム1ー3楽天(14日、鎌ケ谷)
進化の0封だ! 日本ハムの育成右腕・田中瑛斗投手(22)が14日、2軍楽天戦に先発し、5回3安打無失点、5奪三振の快投を見せた。今季から持ち球に加えたシュートを有効に使い、打者を幻惑。支配下復帰へ、確かな成長を示した。
出塁許すも三塁踏ませず
去年までの田中は、もういない。毎回走者を背負っても、粘り強く丁寧に投げ抜いた。計4度、先頭打者の出塁を許したが、慌てることなく後続を断ち、一度も三塁すら踏ませなかった。
「去年はランナーを出すと粘れずに、すぐポンポン進まれて、簡単に点を取られる場面が多かった。今年は絶対、それだけはしない」
五回には2死二塁のピンチを招くも、釜元を精度抜群のカーブで見逃し三振に仕留め、渾身のガッツポーズ。「気持ちを前面に出していった。先頭を出すイニングが多かったので、粘りながら。今までできなかった粘り。少し、成長できたかな」と表情を緩めた。
新球シュートを武器に再び支配下だ
今季から投げ始めたシュートが効いている。習得のきっかけは、昨季の試合中にベンチ前で行っていたキャッチボールだった。「真っすぐが悪い時、修正するためによく(シュートを)投げていた。それが意外と良くて、試合でも投げてみようかなって」。今年1月から本格的に練習し、実戦で使える武器にまで磨き上げた。
今季はここまで2軍戦に3試合登板し、14回を投げ防御率1.93。右打者の内角をえぐる新球を習得したことで、投球の幅が広がった。「去年とガラッと変わった。(打者が)真っすぐだと思って振りに来た球がシュートして、1球で決着をつけられる場面も何回かあった。1球で仕留められる打者が多かったら、もうちょっとイニングを重ねていける」と大きな手応えを感じている。
2017年のドラフト3位で入団し、今年でプロ5年目を迎えた。1軍での登板は1試合のみ。20年に右肘の手術を経験し、昨季終了後は戦力外通告を受け、育成契約を結んだ。このままでは終われない。再び支配下、そして1軍のマウンドに上がるため、貪欲に成長を続けていく。