夏季スポーツ
2022/04/15 23:35

高円宮杯U―18サッカープリンスリーグ 札光星高10年ぶり参戦 下克上だ

10年ぶりにプリンスリーグ北海道に昇格した札光星イレブンは、開幕に向けて気合をみなぎらせた(撮影・小田岳史)

 17日開幕の高円宮杯U―18サッカープリンスリーグ北海道に札光星高が10年ぶりに参戦する。札幌市出身で同校に2015年に就任した小林宏之監督(41)は、現役時代に浦和などでプレーした元Jリーガー。同リーグでは初めて指揮を執ることになる。初戦は昨季2位の強豪・旭実高。チームをまとめるDF土井駿輔主将(3年)は、公式戦全勝で道内3冠という大きな目標を掲げた。

土井主将「プレミア昇格へ全部勝つつもり」

 札光星高が昇格初年度に下克上Vを狙う。1年時から主力として活躍する土井主将は「これまでよりレベルが高い相手となるので練習にも熱が入っている。旭実は強くてメンバーも揃っているけど、プレミア昇格争いに食い込むくらいの強い気持ちでいる。全部勝つつもり」。スタートダッシュを決め、勢いに乗る。

 3月に行われた茨城・波崎遠征では、宮城県の強豪・聖和学園に2―0で勝利するなど、5勝1分け1敗と手応えは十分。「走って縦の突破で得点を狙う。自分は苦しい時間帯に声でチームを鼓舞して、得点につながるようなパスを配球したい」と、攻撃の起点として勝利への貢献を誓う。

 昨年10月の選手権道大会は8強も、11月の同リーグプレーオフは3位で10年ぶりの昇格を勝ち取った。「入れ替え戦に最後まで残ってくれた3年生が昇格という大きな結果を出してくれた。感謝しかない」。その恩に報いるためにも、何としても結果を残すつもりだ。

 土井主将とチーム最長身の攻撃の要、MF川合流央(3年)は北海道コンサドーレ札幌U―15出身。川合は「DF裏への抜け出しや、体を張ったゴール前での競り合いが武器。札幌は自分を育ててくれたクラブだけど、試合になったら譲れない」とキッパリ。1980~90年代には道内の大会で3度頂点を極めた古豪が、まずは春の嵐を巻き起こす。

 

元J1戦士 小林監督 初挑戦に意欲

 札光星高の小林監督は就任8年目。初のプリンスリーグ参戦に「去年までとは、局面の質が違ってくる。今はチャレンジできる喜びの中で準備ができている。その時どきで、いい選択ができるように指導している。去年の3年生が残してくれたものをつないでいきたい」と意気込んだ。

 チームは波崎遠征の帰りに関東2部に所属する中大の練習に参加。J1川崎で共にプレーした元日本代表MF・中村憲剛氏(41)が、今季から母校でテクニカルアドバイザーを務めており、再会した。互いに「元気?」と会話する姿に、札光星高の攻撃の要・MF川合は「すごいです」とあらためて指揮官のキャリアに衝撃を受けたという。

 指揮官の母校・清水商高(静岡)では、同じく元日本代表で北海道コンサドーレ札幌のMF小野伸二(42)が1学年先輩にいた。「直属です」と、今でも頻繁に交流しているという。昨年、昇格を決めた際には「そう簡単に上がれるわけではないのに、すごく頑張ったね」とねぎらいの言葉をもらい、「良い報告がしたい」と健闘を誓った。

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