「神様が多分、きょうじゃないって」伊藤大海が16日に自身初のスライド登板
■15日ロッテ戦は雨天中止
笑顔で仕切り直しだ―。日本ハムの伊藤大海投手(24)が今季初勝利を懸けて、16日のロッテ戦(ZOZOマリン)に先発する。15日の同戦が雨天中止となり、プロ入り後初めてのスライド登板となる。前回登板では自己ワーストの6四死球を記録した。新庄剛志監督(50)から“笑顔のススメ”を説かれた道産子右腕が快投で負の流れを断ち切る。
前回屈辱の6四死球「四球を出した夢を見た」
自身2連敗中だが、伊藤に悲壮感はない。先発予定が雨で流れ、この日は室内練習場で調整。「神様が多分、きょうじゃないって言ってくれたのかなと思います。きのう、あんまり寝られなかったので、逆にあしたの朝(は目覚めが)いいかな」とニヤリと笑った。
前回登板した8日の楽天戦(札幌ドーム)では際どいところを攻めきれず、押し出し四球で先制点を献上。「押し出しで点数を入れられたのが人生初だった。屈辱です」。6回3失点と試合をつくったものの、自己ワーストの6四死球。セルフコントロールを得意とする伊藤が自分を見失った。
プロ入り後初のスライド登板をプラスにする。前夜は「前回登板やいろんな緊張があって、寝られなかったですね。四球を出した夢を見て」と苦笑い。一晩中、動画投稿アプリTikTokを見て過ごした。中止が決まり、「スイッチを切ったら眠くなってきたので、帰ったらご飯を食べてすぐ寝ます」と切り替えた。
ブルペンでBIGBOSSから〝笑顔のススメ〟
「らしさ」を取り戻す。12日の西武戦前にブルペン入りした際、深刻な表情をした新庄ビッグボスから声をかけられた。「一つだけ気になることがあると言われて。笑顔が少ないと。自分らしさを忘れているよ、というのを多分、笑いながら言ってくれた。野球を楽しめるようにやっていきたい」。指揮官の言葉にハッと気付かされた。
昨季は新人ながら10勝を挙げ、2年目の今季はさらなる進化が期待される。「シンプルに野球そのものを楽しむ前に、何か、抑えたいとか打ち取りたいとか、変な欲が出ていた。考え詰めすぎていた部分もあった」と反省。「あしたはもう一人の自分に任せるくらいの気持ちでいこうかなと思います」と言葉に力を込めた。
伊藤といえば、くっきりとできるえくぼがチャームポイント。原点に立ち返り、野球を目いっぱい楽しむ。そうすれば、自然と結果はついてくるはずだ。