ファイターズ
2022/04/16 22:45

大海「楽しく投げられた」思い出のZOZOマリンで笑顔の今季1勝

苦しみながらも今季初勝利をマークした伊藤。トレードマークのえくぼを浮かべ安堵の表情(撮影・松本奈央)

■日本ハム11-4ロッテ(16日、ZOZOマリンスタジアム)

 日本ハムは16日、敵地でロッテと対戦し、11―4で大勝した。先発した2年目右腕の伊藤大海投手(24)が粘りの投球で5回5安打3失点。今季3試合目の先発マウンドで、うれしいシーズン初勝利を飾った。打線は道産子右腕を強力援護。打ちも打ったり、いずれも今季最多を記録する17安打11得点でロッテ投手陣を圧倒した。勢いづいた打線はきょう17日、前回登板で完全試合を達成した佐々木朗希投手(20)の攻略を狙う。

初回に先制許すも粘って5回3失点

 苦しみ抜いてつかんだ今季初勝利だ。「うれしいです。ホッとしました。楽しく投げられました」。伊藤がトレードマークのえくぼを浮かべ、安堵感を漂わせた。

 15日の試合が雨天中止となり、プロ入り後初めてのスライド登板。前回登板の8日・楽天戦では自己ワーストの6四死球と崩れ、14日夜には四球を出す悪夢にうなされたが「きのうはぐっすり寝ました」と万全だった。マウンドで雄たけびのような声を上げ、新庄ビッグボスから指摘されていた笑顔を取り戻した。

 一回に先制点を許したものの、二回以降は最速151キロを記録した真っすぐでグイグイ押した。五回2死から、1番の高部を打席に迎え「無四球じゃない?って思った瞬間、変に意識して出しました」とこの日初めて四球を与えた。その後、安打と味方失策で2点を失ったが、5回102球を投げて5安打3失点と踏ん張った。

 プロ2年目の今季は、開幕戦で中継ぎとしてホールドをマークしたが、先発では2連敗スタート。悔しい投球が続く中、ZOZOマリンの登板が巡ってきたのは何かの縁だったのかも知れない。

栗山前監督と交わした約束、今も胸に

 昨年10月30日、ロッテとのシーズン最終戦で、伊藤は10勝目をマーク。舞台はZOZOマリンだった。ゲームセット直後に、昨季限りで退任した栗山監督と、ある約束を交わした。

 「このボールの中にはオレの魂を込めた。200勝の時にもらう」。ウイニングボールを渡そうとすると返された。熱い思いを託され、自ら「10月30日 10勝目」と記入。「魂が入っているので、お守りとして持って歩いています」。大切に保管するため、布にくるみ、普段使いのバッグに忍ばせている。

 前監督との思い出が詰まった球場で、待望の1勝をマーク。「5回しか投げられていないので、貢献はできていない。気持ち的にはちょっと楽にはなりましたけど、ここからさらに自分のピッチングを求め続けてやっていきたい」と表情を引き締めた。

 通算200勝は超一流選手の証し。お守り代わりの勝利球とともに、伊藤が目標達成にまた一歩近づいた。

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