ファイターズ
≪荒木大輔のズバリ解投≫ チーム全員の「我慢」が劇的勝利を呼んだ
■日本ハム1-0ロッテ(17日、ZOZOマリンスタジアム)
日本ハムが息詰まる投手戦を制した。キーワードは「我慢」だ。決勝点は十回に万波が放ったソロ本塁打。フルカウントからフォークを捉えた。ボール球に手を出さず、西野の投げミスを確実に仕留めた。これまでなら、「一発がほしい」と気持ちに焦りが生じていた可能性もある。
強振することなく、軽打できたのも成長だ。自分で決めようとせず、何とか出塁しようという意識が本塁打につながった。それでもフェンスオーバーするのは持ち前のパワーがあってこそ。決して状態は良くなかったが、これで乗っていけそうだ。
投手陣も「我慢」した。先発の上沢は走者を出しながらも決定打を封じた。佐々木朗の、ものすごい投球を目の当たりにしても自分のピッチングだけに集中していた。これぞエースと言えよう。
継投した堀、北山、宮西も役割を全う。得点を与えず、打線の援護を待った。特に北山は1死二、三塁、2死満塁と一打サヨナラのピンチを乗り切った。
この勝利には大きな価値がある。チーム全員の「我慢」が生んだ1勝。引き分け、ましてや敗戦とは雲泥の差がある。開幕からここまで苦しんできた。今後〝良い風〟が吹くことに期待したい。(本紙評論家)