ファイターズ
2022/04/20 23:40

九回2死から2得点!ビッグボス「勝ちに等しい」あきらめない姿を称賛

四回、芝を投げ、風向き?を確かめる新庄監督(撮影・桜田史宏)

■日本ハム2ー4楽天(20日、楽天生命パーク)

連勝止まるも意に介さず「成長だね」

 連勝が3で止まっても、意に介さない。ビッグボスの関心は、勝敗とは別のところにあった。「デカいですよ。2アウトから1点取ったら成長だねと話をしていて2点。これは、勝ちに等しいぐらいの(内容)。俺の中では。これは素晴らしい」。一方的な展開でもあきらめず、追いすがった選手たちを手放しで褒めちぎった。

 見せ場がないまま、終始、楽天のペースで試合が進んだ。0封負けもよぎった九回1死から野村の左翼線二塁打と四球で2死一、二塁の好機をつくった。石井が右中間を破る2点三塁打を放ち、2点差。クローザーの松井裕をマウンドに引きずり出した。無抵抗では終わらない。少なからず、ダメージが蓄積するはずのボディーブローを浴びせた。

チャンスで3タコの今川を打席へ「自信つけさせて育てる」

 九回2死三塁。ホームランが出れば同点のシーン。ベンチスタートの清宮が代打に備え、新外国人のヌニエスも控えていたが、この日3タコだったスタメンの今川をそのまま打席に向かわせた。

 結果は松井裕の151キロ直球に空振り三振。力でねじ伏せられた格好だが、指揮官は強い意志で決断していた。「この間の万波君のケース(17日のロッテ戦で延長十回に決勝のソロ本塁打)があったから。全然合っていない三振をしていて、ああいう結果が出た。若い子は自信をつけさせて育てていく」。

 先行投資とも置き換えられるような用兵。こうした思考は、現役時代の実体験に基づいている。打てば脚光を浴び、凡退すれば、重い責任がのしかかる―。そんな厳しい局面をくぐり抜けることで、タフになると確信している。

 今川は打席で奥歯をかみ、重い足取りでベンチに戻った。新庄監督はその心情をくみ取り「本人が一番悔しいよ。2アウト2ストライクまで追い込まれて、緊張はすると思う。俺は(現役時代に)めちゃくちゃ楽しみました。ああいう場面。そうなるまで時間かかったけどね」と実感を込めた。

 今は一喜一憂することも、周囲の声に惑わされることもない。新生ファイターズを率いる将は小さくない代償を払ったとしても、将来性豊かな選手たちにスターの階段を上らせる。

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