ファイターズ
2022/04/23 00:15

万波4号3ラン ビッグボスの予言的中に「勘ピューターすげえ」

一回2死一、三塁、景気よく4号左越え3ランを放って両手を叩く万波(撮影・松本奈央)

■日本ハム12ー5ソフトバンク(22日、札幌ドーム)

指揮官は試合前に確信?

 偶然ではなかった。試合前、ビッグボスが確信めいた予言を残していた。「万波君に期待したい。見ておいてください」。一回裏。驚きのシーンが生まれた。1点リードの2死一、三塁で6番でスタメン起用されていた万波が第4号3ラン。言霊のように、願いは現実となった。

 打率1割台で苦しんでいた男が、久しぶりに戻ってきた本拠地で大暴れした。ソフトバンク先発・レイの初球カットボールに反応し、左翼席へ運んだ。勝利を引き寄せる大きな一発。ヒーローインタビューで「打った瞬間どうかなと思ったけれど、しっかり伸びて入ってくれたのでうれしく思います」とファンと喜びを分かち合った。

 ビッグボスの予言については、知らなかった。本塁打を示唆するような発言があったと伝え聞き「本当に言っていたんですか? え、やっぱり勘ピューターすげえなって思います」と驚きと興奮を隠せなかった。

 伏線はあった。前カードの楽天3連戦で「高いピッチャーフライを打ちなさい」と指揮官から助言を受けていた。自らも「上から叩こうという意識が強くて肩も体も被っていくような感じだった」とフォームが崩れていると感じていた。外角の変化球に対し、中途半端に手を出す場面も増えていた。

ボスの教えのアッパーで結果

 尊敬するボスの教えを愚直に受け入れ、極端なアッパースイングへの矯正を試みた。ためらわず、スムーズにバットが出るようになり「大げさでいいからってアドバイスを受けて、それがいい結果につながった」と感謝した。

 予言を完璧な形で的中させた新庄監督は喜びを抑えられなかった。終わってみれば、今季最多12得点。頭脳が冴え渡り「当たったでしょ。僕の勘ピューターがきょうはすごく当たったので、良かったんじゃないかな」とご満悦だった。

 21日の試合では、万波が「やることはやってきているはずなので大丈夫です」と励ましの声を掛けていた今川に不振脱却の一発が生まれていた。涙を流すほど感情をあらわにして戦っていた先輩に触発された。

 「打った後、(今川は)ほぼ泣いていたんじゃないかな。でも、それくらい思いが詰まっているのは毎打席感じます。刺激になります」。仲間や指導者に支えられながら、ダイヤの原石は少しずつ磨かれ、輝きを増してきている。

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