コンサドーレ
2022/04/23 06:00

元ドールズ村田夕奈さん NFL「デンバー・ブロンコス」のチアリーダーに3度目挑戦で合格

NFLブロンコスのチアリーダーオーディションに合格した村田さん(本人提供)

北海道出身女性で初の快挙

 元コンサドールズの村田夕奈さん(30)が、NFL「デンバー・ブロンコス」のチアリーダーオーディションに合格した。札幌市出身。関係者によると、北海道出身女性としては初の快挙。「まだ実感が湧いていませんが、挑戦してから2年越しの思い。すごくうれしい」と声を弾ませた。

 3度目の挑戦で夢をかなえた。初挑戦の20年はコロナ禍で選考が中止に。最終審査から挑んだ昨年は惜しくも不合格だった。パフォーマンスは高評価も、語学力の不足を指摘された。NFLチアリーダーは、病院訪問や学校訪問など慈善活動も積極的に行う。米国では「女性たちの見本」であり憧れの存在。ネイティブなコミュニケーション能力は必須条件だった。

 夢を諦める選択肢はなかった。「昨年、落ちてスタジアムを後にするときに『絶対来年ここにもどって来るんだ』と自分に約束しました。諦めなかったと言うより、迷いはなく、もう次に向かっていました」。そこから1年間、ダンスレッスンの合間は英語漬け。オンライン学習が主だったが、語学力向上に力を注いだ。

 努力は実を結んだ。「去年のオーディションは一人で過ごしていましたが、今年は仲間もたくさん出来て、オーディション期間中に一緒に練習したり。完璧ではないですが、話すことに恐怖心はなくなって、自分からコミュニケーションがとれるようになりました」。無事、課題も克服。153センチの身体を大きく見せるダイナミックな表現力を武器に、難関を突破した。

 小2でコンサドールズジュニアに入り、チアダンスを始めた。06年のホーム開幕・水戸戦でデビューし、キャプテンを務めるなど、勝利の女神として19年までピッチを舞った。その後も21年までは指導者として後輩の育成に尽力。コンサドーレとともに、人生を歩んできた。

 「北海道とともに、世界へ」。コンサドーレが掲げるチームスローガンだ。クラブで育った一人として、見事に体現してみせた。

 「自分が挑戦するにあたって、このクラブスローガンはなんて自分にピッタリなんだろうって(笑) すごく自分のモチベーションになりました。絶対にこのスローガンを達成できるようになりたいというのが、一つの目標でもありました。こどもたちに、こういう道もあると示したいと思っていたので、その一歩を踏み出すことができたのはうれしいです」

 9月のNFL開幕に向けて、5月10日には米・コロラド州へ向かう。そこからはメキシコでの写真撮影に始まり、ピッチに立つためのトレーニングと、新たな挑戦が始まる。

 「今後はブロンコスで活動しますが、心の赤黒は消えません。将来は北海道に戻ってきて、北海道の人たちを元気づけたい。コンサドーレのことは常に気になるし、これからも応援し続けます。自分を語るのにコンサドーレは切り離せないです」

 数々の激闘を彩ったドールズが、世界最高峰の舞台に挑む。

関連記事一覧を見る

あわせて読みたい