ファイターズ
2022/04/23 23:05

《岩本勉のガン流F論》心の調整苦慮した上沢 スーパーエースに必要な経験

23日のソフトバンク戦に先発した上沢(撮影・松本奈央)

■日本ハム3-9ソフトバンク(23日、札幌ドーム)

3回7失点で降板

 先発の上沢が3回7失点。立ち上がりから重い表情で、ボールは甘く、キレも欠いていた。ここ数年で最悪の状態だった。一回こそ、2死二塁でグラシアルを空振り三振に抑えて無失点。立ち直るかとも思ったが、そうはいかなかった。

 心の調整が最も難しい。身に染みて理解できたはずだ。前回、大注目のマウンドで躍動した。ロッテ・佐々木朗の2試合連続完全試合を阻止したと言っても過言ではない7回無失点。そこから中5日。自分を再び奮い立たせることができなかったのだろう。

 1年間ローテーションを守る先発投手は常に緊張と興奮を持ってマウンドに登らなければいけない。その上で、冷静な投球が求められる。今回の上沢はフィジカルの調整はクリアできても心の調整に苦慮した。だが、この悔しさはプラスだ。スーパーエースになるために必要な経験をした。

 一方で、2番手で登板した吉田が2回を完璧に抑えた。これで8試合連続の無失点。やっと自分を表現できるようになってきた。今後は、自分を超えていく作業が必要。まだまだ可能性を秘めている投手。これからさらに成長を続けられれば、先発や抑えでの起用も見えてくる。(本紙評論家)

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