3年目梅林がプロ初先発&初安打「率直にすごくうれしい」
■日本ハム2-4オリックス(27日、東京ドーム)
昨季新人王左腕・宮城から待望の一本
プロ3打席目、待望の一本が生まれた。梅林優貴捕手(24)が「8番・捕手」でプロ初先発を果たすと、いきなりバットで見せた。三回無死、昨季の新人王左腕・宮城の105キロカーブを引っ張ると、打球は左前で弾み、1軍で初めて「H」ランプを点灯させた。
「同期がどんどん活躍していく中、やっと1軍に上がれてまず一歩目という気持ちでずっとやっていたので。率直にすごくうれしい」
記念球は新庄監督がしっかりキャッチし、客席に向かって高々と掲げると、大きな拍手が巻き起こった。当の梅林はすぐにサインを確認するなどしていたこともあり、「とりあえず喜んではいたんですけど。ボールがどこに行ったか分からなくて、誰が取ったのかも見えなかったです」と苦笑いした。
縁の深い相手から記念すべき一本を記録した。昨オフは、地元・広島のトレーニング施設で行われた合同自主トレで鍛え上げた。そのメンバーの大半を占めたのがオリックスだった。杉本や山岡、山崎颯などの主力級の面々も参加。杉本は新型コロナの陽性判定を受け、不在だったが、成長の跡を示せたはずだ。
守備でも来日初勝利を目指したポンセを好リード。一回に吉田正に本塁打を浴びたが、時折「シンプル、シンプル」などといった簡単な英語でコミュニケーションを取りながら、助っ人右腕を盛り立てた。2軍のときも会話することを心掛けたことで、「ファームでずっと(ポンセの登板)1試合目からベンチで会話をしたりしていたので、(バッテリーを)組んだのは初めてだが、すんなり試合に入れた」と5回2失点の粘投を引き出した。
「ずっと試合に出させてもらったビッグボスには感謝している。こういう場面でちゃんと守れたら、自分のスキルにもすごくつながる」と振り返ったように、僅差の試合を落としてしまったが、勝ちパターンの投手を含む7投手をリードしたことは大きな経験になった。
大きな一歩目を踏み出したが、ここで立ち止まるわけにはいかない。「きょうは負けてしまったが、きょうのことをしっかり踏まえて次回に生かしていきたい」。広島文化学園大からドラフト6位で入団し3年目を迎えた。アマチュア時代は無名の存在だった男が、プロでの成り上がりを目指す。