谷内 好守に適時二塁打 マルチな活躍
■日本ハム6ー2オリックス(28日、東京ドーム)
試合開始直後に美技披露
いつも以上に試合の入りは集中していた。「9番・三塁」で先発した谷内亮太内野手(31)が、攻守で先発・伊藤を盛り立てた。
一回無死、いきなり見せ場が訪れた。オリックスの1番・福田の放った強烈なゴロが三塁線を襲ったが、そこには鉄壁の守備力を誇る谷内がいた。滑りながら逆シングルでしっかり捕球すると、素早く反転して一塁に送球し、アウトを取った。
「きょう(28日)の自分のファーストプレーはめちゃくちゃ大事だなっていうのを意識していた」。というのも、前日27日には失策を記録し、日本ハム加入から続いていた連続試合無失策が「182」でストップしたからだ。
記録は意識しないようにしていたが「きのう(27日)エラーしてみて、結構ショックだったので、勝手に意識してたのかな」と自分でも気付かないうちに、無失策へのこだわりは大きくなっていた。
家族の存在がすぐに谷内を立て直してくれた。「1人だったら結構落ち込んでたと思うんですけど、家に帰って、子供の声とか聞いていたら『ま、いっか』ってなって、いい切り替えをして球場に来られた」と笑った。気持ちを一新できたことが、この日一発目の好プレーにつながった。
27日は一塁を守り、この日は三塁と二塁に就いた。多くの選手といろいろな角度で組むには、視野の広さが必要となる。チームメートの動きは、つぶさに観察しているという。
「ちょっとした動きの変化に気付けるように、見てるかな。同じ内野手の情報を自分の頭の中に入れておくだけで、ファーストやショートに入ったときもポジショニングの指示とかもできると思う。常にコミュニケーションを取るようにしています」
三回には三塁線を破る適時二塁打を放ち、攻撃面でも連敗脱出に貢献した。「自分のやるべきことをプレーの中でやるっていうのが一番。プレーの中では若手のつもりで」。プロ10年目を迎えた31歳の闘争心は衰えていない。若いチームを落ち着かせる大事な存在だ。