栄花 親子鷹で4年ぶりの剣道全日本Vだ
29日 全日本都道府県対抗優勝大会
剣道の全日本都道府県対抗優勝大会が29日に大阪で開催される。北海道代表の大将には元世界一の栄花直輝教士八段(54、道警)が2年ぶりに選ばれた。一昨年は大将に選出もコロナ禍で大会が中止。その時、次鋒に選ばれていた長男・将輝(22、筑波大大学院、東海大札幌高出)が今回五将で出場。2年越しで初めて実現する親子鷹が、4年ぶりの日本一奪還に貢献する。
選手全員の名前入り特製つばで心を一つに
4年前、大将として日本一を成し遂げた栄花直が再び北海道に優勝旗を持ち帰る。「優勝しかない。全国的に各種スポーツも再開して、大好きな北海道へいいニュースを、いい話題を提供したい」と、北海道代表をけん引する。
7人制で行われる団体戦。昨年は長男・将輝が次鋒(大学生の部)で出場も、父・直輝は、コロナ禍が収まっていなかったこともあり、所属先の方針で辞退。今回2年ぶりに揃って代表に名を連ねた。栄花直は「うれしい。家内とか祖父母も喜んでくれている。彼がちゃんと予選を勝ち抜いて代表になってくれたことは、褒めてあげたい」と、表情をほころばせた。
心をひとつにして戦う。2月の道予選後、過去の実績で大将に推薦された栄花直は“必勝アイテム”を用意した。「一人一人がいろいろな環境の中で活動している。ひとつの目的に向かって取り組むために」と、選手全員の名前が刻まれた特製のつばを作り、メンバー全員に配った。
「団体戦は、つなぐという気持ちではなく、各自が最善を尽くす。なごやかな『和』ではなく、歯車のかかる『輪』につながる。それがチームワークにもつながる」と心構えを説く。
初戦は鹿児島と富山の勝者と対戦。「みんなが全力を出してくれれば、あとは大将が、父さんが、頑張るよ」。かつて世界一に輝いた剣豪が、自らの剣の道を貫き、再び頂点に導く。
■プロフィール
栄花 直輝 (えいが・なおき)1967年(昭和42年)10月29日、喜茂別生まれ。教士八段。東海大四高1、2年時に全道高校個人連覇。東海大3年でインカレ準優勝。89年に北海道警入り。2000年の世界選手権で個人戦初優勝。同年、全日本選手権初優勝。170センチ、73キロ。家族は妻と長女、長男の将輝さん。