札幌がJ1今季ホーム初勝利 菅の強烈ミドルでミシャJ通算250勝〝祝砲〟
■札幌1-0湘南(29日、札幌ドーム)
ミシャに捧ぐ豪快弾だ!! 北海道コンサドーレ札幌はホームで湘南と対戦し、1―0で勝利した。後半7分にFW菅大輝(23)が、エリア外から強烈なミドルを突き刺した。待望のリーグ戦今季ホーム初勝利。ミハイロ・ペトロビッチ監督(64)は、J通算250勝を達成した。0―5で大敗した鳥栖戦(6日)から立て直し、3戦連続無失点の負けなしで10位に浮上した。
後半7分自画自賛の一撃「ミートだけすれば良いと思っていた」
迷いなく、一振りで試合を決めた。後半7分、CKのこぼれ球をエリア外で待ち構えた菅が、ワントラップで落ち着いて左足一閃。豪快な一撃を、ゴール左上に突き刺した。前半から再三の好機を阻んだ、日本代表GK谷の牙城を崩した。
ヒーローマイクを向けられた背番号4は「自分で言うのもなんだけど、良い左足を持っていると思うので、ミートだけすれば良いと思っていた」とニヤリ。自画自賛の一撃を、満足げに振り返った。
今季2点目。4月で早くも自己最多に並んだ。多少距離があっても、貪欲にゴールを狙う。意識を変えたのは、アカデミー時代から切磋琢磨し、菅の長所を知る先輩の言葉。「昨季途中に高嶺選手から『もっと打っていけ』と言われて。自分のFW時代を知っている選手からの言葉で意識が変わった」。原点回帰でたどり着いたシンプル思考が、積極性を引き出した。
攻撃での貢献はもちろん、持ち前の運動量を生かして、この日も左サイドで激しい上下動を繰り返した。ペトロビッチ監督が求めるハードワークを体現。90分、攻守にわたってタフに戦い抜いた。「目の前の相手に負けないと意識していた。みんなで最後までゼロに抑えられて良かった」と胸を張った。
今季リーグ戦ホーム初勝利は、指揮官に捧ぐ1勝でもある。この日の勝利でペトロビッチ監督はJ1・J2通算250勝の節目に到達した。プロ2年目からレギュラーとして起用され、前途洋々のキャリアへと導いてくれた恩師。「250勝目を自分のゴールで祝えて良かった」と笑みを浮かべた。
リーグ3戦連続無失点「ゴールデンウイークは勝ち点9取る」
これでリーグは3戦連続の無失点。メリハリの効いたマンツーマンディフェンスが、浸透している。FW小柏も約1カ月半ぶりに実戦復帰。上位猛追の態勢は整いつつある。
「ゴールデンウイークは勝ち点9を取るとミシャさんも言っていた。達成したい」と菅。桜の開花とともに、追い上げを開始する。
■選手ひと言
◆3月12日横浜M戦以来の実戦復帰となったFW小柏 「うれしかったし、久しぶりの札幌ドームでプレーできて、幸せだと改めて感じた」
◆フル出場で勝利に貢献したMF宮沢主将 「ホームで勝ち点3を取れて素直にうれしい。みんなタフに戦って、特に守備のところは最後まで集中を切らさずにできた」