大学・社会人野球
2022/04/30 23:15

北海学園大の久保田が先制打&好リード 春連覇へ完封リレーでコールド発進

四回1死一、二塁で先制打を放つ北海学園大の久保田(撮影・西川薫)

■札幌6大学野球春季リーグ戦 第1節第1日(4月30日、札幌円山)

北海学園大9―0札大

 春連覇を狙う北海学園大が9―0の八回コールドで札大を撃破。昨秋、右肩の不調で指名打者に専念していた先発マスクの久保田廉太朗捕手(2年、札国際情報)が四回の先制打を含む3安打1打点。先発のエース左腕・帯川瑠生(3年、札国際情報)とルーキー右腕・常谷拓輝(1年、札静修)の完封リレーを好リードした。

 扇の要・久保田が、タイプの違う左右2投手の持ち味を引き出し、札大打線を散発3安打。2年連続の開幕白星発進を導いた。「初戦なのでテンポよく投げさせるのを意識した。外を広く見せるように、基本的な配球で、全体的にしっかりとリードできた」。なかでも七回から登板した常谷とは初タッグ。「すごく緊張していたので、『顔が硬いぞっ!』と声をかけました」と久保田。2回無安打の好投で見事に大学デビュー戦を飾った後輩を支えた。

 バットでは0―0の四回、1死一、二塁で先制打を放った。外角へのカットボールに少し体勢を崩されながらも、巧みなバットコントロールと、粘り強いリストの押し込みを披露。打球は中堅手の頭を悠々と超える適時打となった。「1打席目にカットボールで打ち取られていた。今度は引きつけることができた」。そこから左へ、右へと広角に安打を生み出し、打線に勢いをもたらした。

エース帯川瑠との初バッテリーは高1秋

 あうんの呼吸だ。久保田が帯川瑠と初めてバッテリーを組んだのは、高1の秋。2年夏には、チームが初めて南北海道大会決勝に進出。帯川瑠は2回戦の北海戦で登板した。甲子園出場は果たせなかったが「帯川さんがいたこともあって」と久保田も北海学園大に進学。昨春の開幕戦からタッグを再結成している。帯川瑠は「投げやすい。サインが合う。ほとんど首は振らない」と信頼を寄せる。

 島崎圭介監督(50)は「0に抑えて良かった。エラーもなかった」と攻守に締まったゲーム運びに及第点を与えた。久保田のリードには「元々息も合っているし、安心して見ていられる。けど、インサイドワークはまだまだ」。ピリ辛評価の裏には、久保田への高い期待度がうかがえる。

 チーム内サバイバルを生き残る。今春、50人以上の新入生が入部し、134人の大所帯となった。昨年から島崎監督は「背番号は自分で勝ち取るもの」と口にしてきた。大会期間中は、試合や練習の成果を評価。各節ごとに背番号を振り分け、登録選手を入れ替えることで、定位置争いを激化させている。久保田は「危機感、緊張感を常に持って練習に取り組んでいる」と先発マスクの座を他人に譲るつもりはない。

 30年ぶりに出場した昨年の全日本選手権は福井工大に屈辱の七回コールド負け。「あのような結果で帰ってきてしまった。最低でも全国1勝」とキッパリ。リベンジのチャンスをつかむため、リーグ優勝まで突き進む。

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