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2022/05/01 23:20

北海道フロンティアL開幕 元F戦士の石狩レッドフェニックス・坪井監督が初陣初勝利

リーグ開幕戦を勝利し、石狩の坪井監督(左)が選手たちを祝福する

■北海道フロンティアリーグ 1回戦(1日、石狩市青葉公園野球場)

 道内に初めて誕生した日本独立リーグ野球機構(IPBL)加盟の北海道フロンティアリーグが1日、石狩市青葉公園野球場で開幕した。日本ハムや阪神などに所属した元プロ野球選手で、昨季までDeNA1軍打撃コーチを務めた坪井智哉監督(48)が率いる石狩レッドフェニックスは、7―3で美唄ブラックダイヤモンズに勝利。監督初陣を白星で飾った。リーグ戦は、士別サムライブレイズを加えた3球団が9月まで27回戦を行い、初代王者の座を争う。

「ちょっとバタバタしたけど、勝ったことは大きい」

 坪井監督が記念すべき開幕戦を制した。勝利が決まった瞬間には阪神時代の同僚、的場寛一臨時コーチ(44)と勝利のタッチ。ベンチ前で選手を迎え入れ、「ちょっとバタバタしたけど、勝ったことは大きい」と安堵の表情を浮かべた。
 攻撃時には三塁コーチャーズボックスからサインを出し、守備時にはベンチから指笛を駆使しながら、外野手へ守備位置を細かく指示。「ベンチでボーっとしていてサインを出し間違えたら流れが変わる」と、試合の緊迫感を間近に感じながら最後まで勝利を追い求めた。

 初の勝利投手は、最速143キロ右腕・森康典(22、千葉・市立柏高出)。一回の立ち上がりに、いきなり3球続けてボールを与え、「足がブルブルに震えていました」と苦笑い。それでもすぐに立ち直り、六回まで三塁を踏ませぬ好投で試合をつくった。昨季は監督が不在。坪井監督が就任して、「全力疾走がテーマ。チームが一つの方向に向かっている」と効果を口にする。ヒーローインタビューでは、監督は「お兄ちゃんです」といじると、ベンチからは「監督やぞ」と指揮官。和気あいあいとしたやりとりが、いまのチーム状態を表している。

 森は元巨人育成の兄・和樹(28)と同じようにNPB入りを夢見て、高校卒業後は道内のクラブチーム・ウイン北広島へ加入。昨季から石狩に加わり、北海道ベースボールリーグでは8勝を挙げて最多勝のタイトルを獲得した。新リーグでも「最多勝をとって、チームが優勝する」と力強い。坪井監督からはチームの実力はNPBの2軍と差はないと言われているが「厳しい世界なのは分かっている」とチームでの活躍でステップアップにつなげるつもりだ。

 坪井監督にとってもNPBへの選手輩出は、独立リーグの指導者として使命の一つである。「自分で考えて、試合でどう表現できるか。技は次の話。洞察力や観察力を養えるか。自分で考える野球を教えていきたい」と、まずは一流のプロ野球選手の野球勘を養っていく。「ミスは当然出るし、それで空回ったりと、まだ未熟な選手たちだけど、それが僕としてはうれしい。伸びしろしかない」。選手育成の手腕にも期待がかかる。

 プロでの経験は選手、コーチと豊富だが、監督は初めて。主に外野が専門だったため、内野守備強化には的場氏に臨時コーチを依頼。開幕戦の守備は無失策だった。坪井監督は「サインプレーとか助かっています。的場さまさま」と声を弾ませた。記念すべき監督初勝利のウイニングボールは「代表に」と、受け取らなかったが、続けて「2勝目は僕がいただきます」と、報道陣の笑いを誘った。

  坪井監督が求めるのは、勝利だけではない。吐く息が白くなるほどの寒さと強風の中、坪井監督のデビュー戦を一目見ようと、現役時代からのファンら230人が駆けつけた。「結構入りましたね。これ以上のファンに来てもらいたい。それなりの事をしていかないと」と、さらなる集客増へ、SNSや企画立案にも関わるつもりだ。リーグに所属するチームの本拠地は石狩、美唄、士別の3カ所だが、「地域振興とか、全道を巻き込んでいきたい」と燃えている。48歳のルーキー監督が、リーグ創設元年を盛り上げる。

美唄ブラックダイヤモンズ 河上新監督 大量失点悔やむ

 七回に2死から4連打で2点を返すなど、美唄は終盤に追い上げを見せた。今春に就任した河上敬也新監督(63)は、「練習から続いていた守備の乱れが出た。打つ方が非力なので、ビッグイニングは不利になる」と、3失策が絡んで6失点した三回を悔やんだ。あす3日の士別戦ではエースの宮地諒投手が先発。「期待している」とリーグ初勝利を見据えた。

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