ファイターズ
《岩本勉のガン流F論》杉浦 出し惜しみのない投球で攻守に好循環
■日本ハム9-3ロッテ(1日、ZOZOマリンスタジアム)
杉浦が立ち上がりから出し惜しみのない投球を披露した。今ある一番、二番のボールをどんどん投げ込む。右の本格派でありながら、ストライクゾーンを左右に広く、巧みに使った。と、なればカーブや落ちる球も生きる。結果、絶好調の投手がマウンドにいたということだ。
元々、先発の投げ方と勝利の味を知っている。前回は三回に突然、身体が緩んでボールが弱くなった。その悔しさ、反省を無駄にはしなかった。今回はイニングや球数を考えることなく、強く腕を振るい続けた。
好投は勝利へつながるレールも敷く。守備にリズムを与え、バックは随所に好プレーを見せた。送球が多少それても捕球する側がしっかりとカバーしていた。
打者もゆとりを持って打席に入ることができていた。たった1回の猛攻、されど効果的な1イニング。四回の9点で試合は決まった。一方で相手にはミスも出た。すべてが好循環。完全にファイターズのペースだった。それをつくり出したのが杉浦の投球だった。
彼が一番、輝けるポジションはどこなのか。首脳陣は今回で腹をくくれたはずだ。2桁勝てるだけの力は十分に備わっている。(本紙評論家)