新庄ビッグボス「7対7くらい」トレード熱望 移籍活性化で選手に輝ける場を
大型トレードを成立させる!? 日本ハムの新庄剛志監督(50)が選手の移籍について言及し、トレードの活性化を熱望した。環境を変えた挑戦が選手の特長を生かす手段となり、球界全体の利益になるという考え。現場の指揮官として積極的に意見を出し、編成権を持つフロントへ働きかけるつもりだ。ビッグボスが推進する改革は、グラウンド内にとどまらない。
球界の発展へ損得勘定抜き
〝宝の持ち腐れ〟を少しでも解消する。出場機会に恵まれない選手を他球団が獲得できる現役ドラフトの話題になると、新庄監督は移籍について持論を展開した。
「ドラフトというよりトレード。どんどんできたらなと。7対7くらい。大型すぎるでしょ(笑)。こっちが言っても、相手がいやいやちょっと…となるんですよ」。くすぶっていた選手は、日の目を浴びるきっかけになる。冗談には聞こえないトーンで、水面下の交渉にまで踏み込んだ。
選手会とNPB(日本野球機構)で導入を目指している現役ドラフトは、まだ機能するか、不透明。トレードは各球団の思惑や補強ポイントが一致すれば、成立する可能性がある。
就任1年目のキャンプ、オープン戦とここまでの公式戦を経て、新庄監督は教え子たちの個性を把握しながら、他球団の戦力もチェックしていた。自らの損得勘定では判断していない。「見極めるのは、こういう選手はよそに行った方がいいとか。うちに来た方がいいとか。(トレードを)どんどんやっていきたい。お互いのためにも」と強調した。
例えば、本拠地が広い札幌ドームだと、東京ドームや神宮球場と比較して本塁打が出にくい。スラッガーには不利な条件で「パンチ力があっても球場が広い。フェン直の当たりが(球場が)狭かったらホームラン。それが自信につながって、グッと化ける選手もいるだろう」と予想する。
フロントへ働きかけも「案は出すよ」
もちろん、逆のパターンもある。「足の速い、脚力のある選手がここ(札幌ドーム)に来たら守備範囲が広く、(レギュラーを)つかめるチャンスが増える」。長所がより輝く場所へ導くことをイメージし「そういう機会をつくってあげたら、その子たちのためにもなるんじゃないかなと思う。俺が決めることではないけど、案は出すよ」と意欲をたぎらせた。
ファンを喜ばせる規格外のパフォーマンスにサプライズ采配―。常識にとらわれないビッグボスは、野球界を盛り上げ、発展させるために革新的なアイデアを発信していく。