ファイターズ
2022/05/03 23:20

奇策不発も闘魂魅せた 新庄ビッグボス「楽しいゲームにはなった」

八回、2番手投手・宮西が無失点に抑え、手を叩く新庄監督

■日本ハム1-2楽天(3日、札幌ドーム)

 日本ハムは3日、札幌ドームで楽天と対戦し、1―2で敗れた。先発した加藤貴之投手(29)が7回5安打2失点。二回に田中和基外野手(27)に先制2ランを浴びながらも先発の役割を果たした。打線は相手先発の田中将大投手(33)に8回4安打無得点と抑え込まれていたが、最終九回に意地を見せた。守護神の松井裕樹投手(26)を攻め、2死からチャンスをつくって近藤健介外野手(28)の適時二塁打で1点差に詰め寄った。

マー君前に8回まで4安打無得点

 仕掛けても揺さぶっても、田中将の牙城を崩せなかった。投手戦を想定した守備重視のオーダーも、少ない好機で敢行した奇襲のエンドランも不発。札幌ドームには2万87人が詰めかけ、3月29日の本拠地開幕以来、今季2度目の満員(コロナウイルスの影響で入場制限あり)となったが、勝利を届けられなかった。

 攻撃の分岐点は2点を追った五回だ。四球と安打で1死一、二塁。新庄監督は「先に先に塁を進めることが、点を取る秘訣(ひけつ)」と考え、9番・上野の打席で動いた。田中将の高い制球力を計算に入れつつ、フルカウントからエンドランのサインを出した。

 バットに当てて転がすことができれば、悪くても2死二、三塁で次の打者につなげた。しかし、結果は空振りで、痛恨の三振併殺。観客席からため息が漏れた。

 試合後、この作戦について指揮官は「見逃しが怖かった。(田中将の投球が)大きく外れることはないと思った。あそこでコンと当ててくれさえすれば」と狙いを明かした。

 ロースコアを想定し、守備力のある中島、上野をスタメン起用した一方で、4番には今季初めて浅間を抜てきした。2安打を放った1日のロッテ戦(ZOZOマリン)が伏線で「好投手の田中君に対して、あのバットの出方と間(の取り方)なら、いい感じで打ってくれるかな」と勘ピューターを働かせていた。しかし、結果は4打数無安打、3三振。策は、はまらなかった。

九回2死から粘って一打サヨナラ絶好機に

 九回2死から抑えの松井裕を攻め立て、見せ場はつくった。野村の左前打に続き、近藤が中堅フェンス直撃の適時二塁打を放って1点差。さらに石井、谷内が粘り強く四球を選んで満塁とした。アルカンタラは三振したが、しぶとく一打サヨナラのシーンをつくったことに価値があった。

 ビッグボスは悔しさをにじませながらも「(九回2死で)ヘッドコーチとここから1点取るぞっていう話をしていた。最後も粘って粘って。惜しい結果になったけど、楽しいゲームにはなったと思う」と評価した。無抵抗では終わらない。ファンに示した闘争心むき出しの姿勢は、近い将来の糧になると信じていた。

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