コンサドーレ
2022/05/03 23:20

《平川弘のCool Eye》 菅のミドルが相手DFラインを崩す武器に

 走力、球際の激しさを武器にする湘南に負けることなく、ハードワークした札幌。MF荒野をトップに置いて、前線からの守備にも力を入れたことで、ゲームに厳しさは出せた。FWシャビエルも、だいぶ走れるようになってきた。

 ルヴァン杯の柏戦では、ロスタイムに2点を食らい逆転負け。最後のところで体を張れなかった反省から、球際の厳しさの意識は感じられた。最後は押し込まれたが、我慢して逃げ切った。メンバーは異なっていたとしても、柏戦の悪夢を払拭できたことはチームとして自信になる。

 決勝点となったFW菅のミドルシュートが騒がれているようだが、彼のパワーからすれば、そんなに驚くことではないと思う。ただ、クリアされたボールをトラップするのは、けっこう難しく簡単ではなかった。DFの寄せもあった中で、あのボレーを突き刺したのは大したもの。クリアされた瞬間、シュートを打つイメージ、準備ができていたからこそのゴールだと思う。

 ポゼッションして相手のDFラインを崩すスタイルの札幌だが、FW興梠の離脱や決定力不足で決めきれないことが多い。しかし、菅のようなミドルシュートを常にちらつかせることができれば、相手チームの守り方も変わってくる。当然、打たせたくないので、DFは前に出てくるはず。DFラインの裏をつける可能性が高まるのだ。

 きょうのG大阪戦でも中距離からでも、打つ意識を持って相手DFを前に引き出してほしい。(本紙評論家)

関連記事一覧を見る

あわせて読みたい