ファイターズ
《岩本勉のガン流F論》大海〝らしさ〟見えず アウトにする強い気概思い出せ
■日本ハム4-8楽天(5日、札幌ドーム)
今回の伊藤の登板は、〝らしさ〟が見えなかった。四回は先頭から2者連続四球。合計4つの四球を出して、わずか1安打で3失点した。守りに入って保守的な組み立てになっていなかったか。
一回に3者凡退で始まり、その裏に味方が2球で先制。そこで自らの勝ち星を計算していなかっただろうか。有利な状況でも自らを奮い立たせ、勝ちにいく投球をするのが先発投手の役割。きょうの伊藤は、自分自身、もしくは相手の岸と戦っていたように見えた。
戦うべきは、あくまで相手打線。本来の伊藤は攻撃的な投球が特長だ。ロジンバックの煙をあげながら、相手打線にどんどん向かっていくのが持ち味なはず。相手をかわすことを意識すると、どうしても腕の振りが鈍くなり、対する打者もボール球に手を出さない。結果、四球が増えた。思いきり腕を振れば、打者も勝負をしにくる。そうすれば空振りも取れる。「目の前の相手をアウトにするんだ」という強い気概を今一度思い出し、次の登板に向かってほしい。
逆に清宮の2発には〝らしさ〟が出ていた。滞空時間の長い見事なアーチ。ただ、打ち取られるときは、まだ淡泊。しぶとさが出てくれば、4番も任せられるだろう。この日の打席は自信にしてもらいたい。(本紙評論家)