コンサドーレ
2022/05/06 23:56

杉浦大輔コーチ兼通訳が語る「ペトロビッチ監督のJ1通算500試合」

杉浦コーチ兼通訳(左)と話し込むペトロビッチ監督。史上2人目となるJ1指揮500試合の節目に臨む(撮影・石栗賢)

広島時代から二人三脚「振り返ればあっという間」

 北海道コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロビッチ監督(64)が、7日の京都戦の指揮でJ1通算500試合の節目を迎える。通算524試合の西野朗氏(67)に次いで史上2人目で、外国人監督では初めての偉業だ。

 大台到達の節目であることを知らされたペトロビッチ監督は、目を見開きながら「ここまで日本で仕事をさせていただけたこと、支えてくれたスタッフ、選手、サポーターやメディアの皆さん全員に感謝したい」と笑顔。「そろそろ見飽きた人もいるのでは?」とジョークも弾んだが、名将のJリーグへの貢献は計り知れない。

 その500試合を二人三脚で戦ってきたのが、杉浦大輔コーチ兼通訳(47)。ペトロビッチ監督が広島の監督に就任した2006年から通訳を務め、17年目に突入した。指揮官が打ち立てた金字塔に「振り返ればあっという間ですが、それだけ勝ち残ってきたんだなという思い」としみじみ話した。

 「06年に監督と一緒に広島に来た時、僕はケルンの体育大学の学生でした。休学届を出して、荷物もケルンの自分の家に置いたまま日本に来ていました」。

 そこから1年半は、大学に籍を置いたまま戦った。ペトロビッチ監督が広島で3季目を迎える頃、ついに中退を決断した。

広島3季目に大学中退を決断「僕も覚悟を持って仕事をしていた」

 ペトロビッチ監督の言葉を借りれば「監督業はあすの保証がない仕事」。結果への責任、プレッシャーと常に戦っている。それは一蓮托生(いちれんたくしょう)の通訳も同じ。「僕自身も常に覚悟をもって仕事をしていました。500試合はとてもじゃないけど想像がつきませんでした」と、激闘の日々を振り返った。

 「監督さんが、身を削っても健康であることがすごいこと。試合や練習をほとんど休んだことがない。継続できる健康状態と、メンタルの強さは本当にすごい。外国人監督では一番上を行っているし、(J1通算500試合は)日本人の方を含めても西野さんしかいないことを考えれば、ものすごくJリーグに貢献していると思います」

 グラウンドでの情熱を見れば、500試合もペトロビッチ監督にとっては通過点だろう。杉浦コーチも「結果が出なければ僕らの仕事は続けられない。僕自身も慣れてしまうと初心を忘れがちだが、選手・監督を支える立場として、自分の役割を常に考えて仕事をしていきたい。常に地に足を付けて、一試合一試合、毎日を大切にしたい」と表情を引き締めた。

 7日は京都をホームに迎え撃つ。偉業達成の節目は、勝って飾りたい。

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