レバンガ東地区9位で終了 来季続投意欲の佐古HC「戦う集団に少し近づけた」
■Bリーグ1部 第36節 レバンガ89-91富山(8日、札幌・ 北海きたえーる)
ロングが得点王 橋本もフリースロー成功率で初タイトル
B1レバンガ北海道は今季最終戦をホームの札幌・北海きたえーるで行い、89-91で富山に敗れて東地区の9位でフィニッシュした。PF/Cショーン・ロング(29)は30得点13リバウンドのダブルダブル。移籍1年目で初の得点王のタイトルを獲得した。さらにPG橋本竜馬(33)もフリースロー成功率92%で初タイトルを獲得し、昨季からの成長の跡を残した。試合後、折茂武彦代表(51)は今季就任した佐古賢一HC(51)へ来季の続投を要請する方針であることを明言した。
佐古HCは開幕直前の昨年8月に就任。B1での指揮は初めてながら、4シーズンぶりに20勝以上を挙げ、通算21勝35敗。折茂代表が納得のいく最低限の数字を残した。
「いい意味での変化は起きたし、戦う集団に少し近づけた。勝ち切れなかった部分は10勝ぐらい。あと10勝あれば、ワイルドカードも含めて(プレーオフに)行ける数字。方向的には間違っていなかった。しっかり徹底という部分では、ブレずに選手とコミュニケーションを取りながら進めてきた。われわれクラブ、僕の意志としては、来季しっかりとお願いをするという形になるかな」と折茂代表は、盟友に来季もチームを託す方針だ。
佐古HC自身も続投に意欲を見せた。今季は東地区上位3チームの千葉、川崎、A東京から1勝ずつもぎ取った。「Bリーグでトップと言われているチームに勝ったときは、ビハインドからしっかりと追いかけていって、まくって勝つ。こういうのがすごくいい経験になっている。来季、そこからの上積みをどのようにして乗せていくか、ここが来季の課題。まずは戦う集団への基礎部分はできた。われわれに合ったチームをつくっていきたい。自分自身も来季の契約はまだですけど、そうなれば取り組んでいきたい」と来季続投は確実とみられる。
折茂代表「役割果たせるようになってきた」中野、山口ら若手の飛躍に期待
昨季在籍したニック・メイヨに続き、2年連続で得点王をレバンガから輩出した。外国籍選手への依存脱却は、来季の上位進出に向けて課題だ。折茂代表は「日本人選手が絡んでくれば、非常にバランス良く、点数の上積みができ、勝ちパターンになってくる。補強も含めて、来季勝負するためには、日本人の強化、そこの部分に尽きるのかな」と、得点力の高い日本人選手の獲得を視野に入れる。
チーム内にも、来季期待の若手が存在する。「後半は中野、山口がそれぞれ役割を果たせるようになってきた」。今季Bリーグ通算1000得点を達成した若き3点シューターと、昨季途中に特別指定選手として加入したプロ1年目のルーキーの名前を挙げた。
もちろん、今季在籍した外国籍3選手も来季の構想に入っている。終盤、攻撃の2枚看板として奮闘したPFデモン・ブルックス(29)が右膝前十字靱帯(じんたい)損傷で離脱し、ロングとCダニエル・ミラー(30)の外国籍選手2人で戦い抜いた。「そこはバランス。チームに合った、コンセプトに合った選手をメンバーにしていくことを考えていかなければいけない。われわれが来季勝負をする、日本一を目指すことを決めているので、来季はもっともっと上に絡んでいくチームにするためには、選手補強に関してもレベルアップは必要」。
Bリーグは、コロナ禍の影響により過去3シーズンで降格は実施されてこなかったが、来季からは下位2チームが自動降格する方針だ。来季のB1残留は最低条件。さらにBリーグ移行後初のポストシーズンへ、折茂代表が改革を加速させる。