ファイターズ
「4番が強いチームは強い」4番で打率.393の野村が3号2ラン含む2安打2打点
■日本ハム2-4オリックス(10日、札幌ドーム)
鎌ケ谷以来の3番・清宮、5番・万波と近未来の中軸結成
4番に入ると、水を得た魚のように打ちまくる。「4番・三塁」でフル出場した野村佑希内野手(21)が3号2ランをマークするなど、2安打2打点と躍動した。
3点を追う四回だった。1死一塁で打席に向かった野村は、1ボールから甘く入ってきたカットボールを逃さなかった。直球に合わせたタイミングだったが、うまくバットの芯に「引っかかった」打球は、左翼ポール際に飛び込んだ。4月28日のオリックス戦(東京ドーム)以来の本塁打で、停滞していた球場の空気を一変させた。
この日は清宮、万波と中軸を組んだ。プロ入り後、一緒に切磋琢磨してきた2人とのクリーンアップに「2軍の方で組んでた打順。1軍で組めて、うれしさもありましたし、この打順で勝てたらすごいうれしいなって、試合に臨みました」と喜んだが、得点は野村の2点弾のみに終わり、悔しい敗戦となった。
指揮官も高評価「詰まっても右方向にも打ってくれる」
野村が今季、4番で出場した7試合は、打率.393(28打数11安打)、2本塁打、9打点と申し分ない成績を残している。1月の自主トレ時から「4番が強いチームは強いので、そういうところを目指してやっていきたい」と若き大砲は4番に強いこだわりを見せる。
その一方で、5月の打率は.207と低調だ。必死に状態を上げようと「その日、その日で毎日ちょっとずつ変えたり、自分の感覚をもっと良くするために、いろいろ考えながらやっていた」。この日の2安打はまさに、たゆまぬ努力の産物だった。
新庄監督が「野村君は、意外と長打もあるし、器用で詰まっても右方向にも打ってくれる」と評価するように、確実性と長打を持ち合わせた強打者になる素質は十分ある。「4番・野村」を勝ち取るために、これから見せる成長曲線に注目だ。