新庄監督怒り心頭「1軍に残りたいという姿勢全く見えない」消極的な若手にカツ
■日本ハム2-4オリックス(10日、札幌ドーム)
相次ぐ守乱に拙攻「バットを出さない限り、一生結果は出ない」
堪忍袋の緒が切れたのか。ビッグボスが残したメッセージは、怒気をはらんでいた。試合後の囲み取材は行われず「1軍に残りたいという姿勢が全く見えない。バットを出さない限り、一生結果は出ない」と広報を通じてコメントを寄せた。就任以来、最も厳しく、強い口調で選手を非難した。
試合が進むにつれて、指揮官の表情はこわばっていった。走塁やバントのミスに加え、積極性を欠いた見逃しが目立った。キャンプで徹底させてきたはずの取り組みが、実行されなかった。特に期待を込めて3番に抜てきした清宮は、見逃し三振を含む4打数無安打。変化球に手が出ず、簡単に追い込まれた。
守備も精彩を欠いた。一回2死一、三塁で本盗を決められたが、一、二塁間に走者を挟んでも、連係ミスでアウトにできなかった。三回には正面のゴロを二塁手の石井が後逸し、八回1死一塁ではバントに対し、再び石井の一塁ベースカバーが遅れ、内野安打となった。九回は途中出場した遊撃手の水野がゴロをはじき、ダメ押しの失点につながった。
チームの将来像とかけ離れた試合内容…本当にベストを尽くしたのか?
もともと、結果よりも個々の成長を重視してきた。チームの敗戦が、叱責(しっせき)の理由ではないとみられる。ベストを尽くしたとは言えない拙攻と守乱のオンパレードは、チームが目指す将来像とは、かけ離れていた。
経験の浅い若手が多く、成長途上と割り切っている面もある。これまで、アグレッシブな失策、果敢に攻めた空振り三振などは、とがめることがなかった。いつも選手を信じてフォローし続けてきただけに、この日、報道陣に発した突き放すような言葉は、事態の深刻さを表していた。
借金は今季ワーストの「14」まで膨らみ、首位の楽天とのゲーム差もワースト「16」まで広がった。チームが結束し、強化が進まなければ、巻き返しの機運は高まらない。ビッグボスの示した意志を選手がどう受け止めて、行動に表すのか。今後の戦いが注目される。