ファイターズ
2022/05/14 23:05

《岩本勉のガン流F論》上沢の好投 大海の完封が発奮材料

8回を5安打無失点と好投した上沢

■日本ハム2-0ソフトバンク(14日、札幌ドーム)

 先発の上沢は投球が窮屈にならなかった。象徴的な場面が一回。2人の走者を抱えてもバタバタしなかった。内容的にも緩急を使いながらコースに投げ分け、特長が光った。前回登板で、今シーズンの見通しを付けるような初勝利を挙げていた。それが大きかった。

 もう一つ、13日の伊藤の投球が刺激になっていたはずだ。千賀と投げ合い、完封した。野手も同じだが、優れた選手は目の前で起きたことを発奮材料にする。上沢は最大限、自らのパフォーマンスに生かした。

 早い段階で2点の援護をもらい、この日の投球にゆとりが生まれた。1点だと、常にホームランを警戒する必要があり、苦しさが違う。また、捕手の宇佐見は投手が優位に立てるように我慢強く、リードしていた。打撃でもチーム初安打を放ち、先制の口火を切った。攻守にわたって冷静に状況判断ができていた。

 決勝打の今川にも触れたい。ここ2試合はスタメンを外れ、悔しかっただろう。その気持ちがバットに乗っていた。当初は自分のアピールに精いっぱいだったが、今はチームが勝つためのピースだと、理解しているように感じる。彼のキャッチフレーズでもある執念がビンビン伝わってきた。(本紙評論家)

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