ファイターズ
2022/05/17 23:30

ビッグボス連勝ストップ 紙一重で勝負手不発

六回、満塁のチャンスで水野が三振に倒れ、新庄監督もガックリ

■日本ハム0ー3オリックス(17日、ほっともっと)

読みは当たるも重盗失敗

 紙一重だった。緻密な計算と読みではじき出した戦術は、運にも見放されて、的中しなかった。水面下で火花を散らした先手争いで後れを取り、今季最長だった連勝は4で止まった。

 一つ目の勝負手は四回1死一、二塁。打席の万波がカウント1-2になったところで、重盗を仕掛けた。相手バッテリーがワンバウンドのフォークで仕留めにくると読み切り、サインを出していた。実際、球種とコースはピタリと合致した。ただ、低めの球は、ノーバウンドで捕手のミットに収まった。石井の三盗は微妙なタイミングとなり、セーフ判定もリクエストでアウト。痛恨の三振ゲッツーとなった。

 想定通りの現象が起きても、不確定要素は絡む。新庄監督は「万波君が空振りしても、ワンバウンドで進めるという。そしたらあのボールだけワンバウンドにならなかった。もう少しリードを大きめに取って、いいスタートが切れたんじゃないかなと思いましたけど」と作戦の意図に触れ、改善点を挙げた。

 二つ目は0―0で迎えた七回の守備。1死二塁で外野前進の指令を出した。1点を防ぐという強い意志表示だったが、中川圭のライナー性の打球は中堅手・松本剛の頭上を越え、均衡を破る適時三塁打となった。単打での2走生還を阻止する攻めた守備陣形は、裏目。「向こうは(セットアッパー、抑えの)いい投手がくるし、離されたくない。ましてや、あれは結果論…」。リスクを承知の上で繰り出した選択に後悔はなかった。

新庄野球は次のステップへ

 零封された打線は、5番の万波を筆頭にことごとく三振で好機を逸した。早く先発の加藤を援護できていれば、展開は違っていたかもしれない。ファーストストライクから積極的にスイングする姿勢を強く求めてきたビッグボスは、次のステップに目を向けた。「三振が多い。減らしていかないといけないよね。レベルアップするには。思い切りいくのは身についてきているから、あとは追い込まれてからの気持ちというか、打席で考えてもらってね」

 がむしゃらに振るだけでは、不十分。相手の思惑や心理を頭に入れ、状況やデータも踏まえた打席での振る舞いを求めた。理想と現実はまだ遠い。今は若手の成長を促進するため、力を尽くす。

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