西沢が道女子アマゴルフ7度目の挑戦でV 初タイトルでプロテストへ弾み
■道女子アマチュアゴルフ選手権最終日(20日、当別・ハッピーバレーGC札幌=6252ヤード、パー72)
首位タイでスタートした西沢里世(19、ゴルフ5カントリー美唄)が、3バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの72。3日間通算216のイーブンパーで2位に4打差をつけ、初日2位からの逆転劇で初優勝を果たした。上位6人が日本女子アマ選手権(6月14日開幕、岐阜関CC東C)へ出場する。また、優勝した西沢には、7、8月に道内で開催される女子プロトーナメントへ主催者推薦出場権が与えられる。
西沢が7度目の挑戦でついに初タイトルを手にした。「ずっと勝てていなかったのでうれしい。優勝しか見てなかった。60台で3日間回りたいなと思っていたから、目標は達成できなかったですけど、ツアーとかでもっといい成績を出せるように頑張りたい」。表彰式を終え、ようやくポーカーフェースを崩した。
ライバル島田との一騎打ち制した
ライバルとの一騎打ちを制した。2日目を終えて、初日首位の島田紗(20、シェイクスピアCC)と並び最終組でスタートした西沢。ドライバーの最大飛距離は260メートル超えと女子では飛ばし屋だが、戦略性のあるコースと不規則な風にアドバンテージは半減。「しっかりとアイアンで刻むところも何ホールかあったし、あんまり欲張っても、ボギーになっちゃたら、元も子もない」と、攻めるホールと守るホールをきっちりと見極め、2打リードで終盤へ。16番パー3で、ティーショットを右へ大きく外した島田紗に対して、西沢はピン右約2.5メートルに。バーディーパットをしっかりと決めて、残り2ホールで3打差とし、初勝利を確実にした。
8月から始まる自身3度目のプロテストへ弾みをつけた。昨年3月、初のプロテストは1次予選で2打足りず撃沈。同10月、2度目の挑戦では、第2次予選に進むも「パターの手が本当に止まっちゃって。30センチでも怖かった」。思うようなプレーができなかった。加えて、ラウンド中に木の根本付近からのスイングがまさかの空振り。結果的に1打足りず、最終予選進出を逃した。「この世の終わりみたいな感覚だった」と述懐する。
それでも「何か変えないと」と、すぐに前を向いた。昨年12月から週3、4回、ジムで肉体改造。雪が解けると毎朝午前3時に起床。ホームコースのある美唄まで自宅のある札幌から通い、1日2ラウンドをこなしてからトレーニング漬けの日々を繰り返し、体重は7キロ増。「不安定な場所でもスクワットできたり、ボールを投げたりできるようになった」。傾斜地から打つことが多いゴルフに重要な体幹強化でスイングの土台が安定した。
昨季初出場した日本女子アマ選手権は、29位タイ。「優勝すれば最終プロテストから出場できるので狙いたい」。今季から国内女子ツアーに本格参戦の内田ことこ(19、加賀電子)は北海学園札幌高の同期。「追い付け、追い越せ」。1日も早く同じステージに立つ。
中学2年の根田は3位も「優勝を狙っていたので悔しい」
首位と8打差の3位からスタートした根田うの(13、札幌北広島GC)が、この日最少タイの72。順位をキープして、初の日本女子アマ選手権の切符をつかみ取ったが「優勝を狙っていたので悔しい」と唇をかんだ。北広島大曲中2年だが、170.4センチの長身。「自分のプレーをして優勝できたらいい。ベストを尽くせたら」。3年前にジュニアの世界大会9~10歳の部で優勝した実力を、大舞台で披露する。