ファイターズ
2022/05/21 23:30

宮西が800試合登板! 金子コーチの新人時代からの支えに感謝

自身の800試合登板でパーフェクトリリーフを披露した宮西

■日本ハム4-0西武(21日、札幌ドーム)

プロ15年目で史上8人目の金字塔

 北の鉄腕がまたも偉業を成し遂げた! 日本ハムの宮西尚生投手(36)が21日、プロ野球史上8人目、球団初の800試合登板を達成した。札幌ドームで行われた西武戦に3番手で登板。ラスト九回をきっちり3者凡退に封じ込め、自らの大きな節目に花を添えた。

 積み上げた799試合と変わらず、宮西は駆け足でマウンドに上がり、強く腕を振った。直球とスライダーにシンカーを織り交ぜ、3者凡退。最後は球界を代表するスラッガーの山川を二飛に打ち取ると、グラブを2度叩き、表情を緩めた。ホールドもセーブも付かない場面だったが、特別な一日になった。

 NPB史上8人目となる金字塔。ヒーローインタビューでは、祝福ムードのファンに向けて「去年から全然、思うような結果が出ず、皆さんには嫌な試合を見せてしまいましたけど、これからしっかり頑張っていきます」と宣言した。

「野球勘は誠さんから教わってきた」

 球界屈指のリリーバーに成長した宮西を、陰ながら支えてくれたのが金子誠・野手総合兼打撃コーチだ。「昔から僕のことを一番、見てくれている先輩。野球勘は誠さんから教わってきた」と感謝する。

 右も左も分からなかったルーキーイヤー。正遊撃手としてチームをまとめていた大先輩は、孤独なマウンドでよく声をかけてくれた。「バッターは腕を振られることが嫌なんだよ」。その言葉があったから、思い切り投げられた。「真っすぐとスライダーだけで頑張れよ」とプロで生きる道を示してくれた。

 試合中にベンチで一緒に座っていると、次の展開をズバズバと言い当てる姿に驚かされた。プライベートで食事に誘ってもらい、時には“飲みニケーション”も。長年のプロ生活で培った野球勘を聞かせてもらい、試合の分岐点が分かるようになった。

昨季も助言もらい不振脱却

 プロ入り後、初めてと言っていい不振に苦しんだ昨シーズン。投球フォームをチェックしてくれたのは金子コーチだった。登板後、ベンチ裏で「きょうはいいんじゃん?」、「腕じゃなくて首を振っていたな」など確認。そのおかげで、良かった時の感覚を取り戻すことができた。

 年齢は重ねたが、いまだファイターズのブルペンに欠かせない戦力だ。試合後のベンチ裏で、お祝いの乾杯をした時、ビッグボスにハッパを掛けられたという。「岩瀬さんの1002試合の記録があるから、そこまで投げろと。目指して頑張れと。笑いしか出なかったです」。幾度となく不振やけがを乗り越えてきた。鉄腕のゴールはまだ、先にある。

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