プロ注目最速151キロ右腕 苫中央・斉藤が北海から11K
8年ぶり2度目出場の苫中央が3―2で北海を下し、春の全道初勝利。プロ注目の最速151キロ右腕・斉藤優汰(3年)が、2失点完投を果たした。一回1死二、三塁から暴投で2点を失ったが、二回以降は無失点で、被安打3、11奪三振、与四球0。昨夏の南北海道大会1回戦のリベンジを果たした。
▽春季全道高校野球1回戦(24日、札幌円山)苫中央3-2北海
緩急ある投球に進化「スカウト気にせず直球磨く」
苫中央の斉藤が、進化した投球で、昨夏、昨秋に続く道大会3度目の先発登板でついに初勝利をつかみ取った。九回1死三塁と同点のピンチも後続を断ち切り「変化球でカウントが取れて、珍しく四球もなくてテンポ良く投げられた」。立ち上がりの2失点を除けば、ほぼ完璧な内容で、昨夏南大会王者の北海打線を寄せ付けなかった。
いきなりの2点ビハインドも動じなかった。チームは今春の支部大会、2回戦から2戦連続逆転で、代表切符を勝ちとった。「味方の打線を信じて、きょうも大丈夫だろう」と腕を振り続けた。すると二回、頼みの打線がつながり一挙3得点。強力援護を受けると勢いに乗った。
力だけで押していた過去とは決別していた。昨年夏、秋の道大会は、制球難に苦しみ共に初戦敗退。この日の最速は148キロと150キロ台は皆無も、カーブやフォークを効果的に織り交ぜる一皮むけた緩急のある投球で、直球がより生きていた。
スタンドに陣取った多くのNPBスカウト陣も絶賛だ。西武の渡辺久信GM(56)は「ボールが強い。スライダー、フォークとか一つ一つが平均以上。今年は高校生のドラフト候補投手が多くないから、目を引くよね」と、今後も注視していく構えだ。
ただ、そんな評価にも「スカウトは気にしない。もっと直球を磨いていきたい」と、2回戦以降を見据える。そして理想は「低めをはうように外角に伸びてくる球」と言い切る。チームの勝利を最優先に、理想のボールを追い求めていく。
北海・小原海「自分のミスで負けた」夏にリベンジ誓う
細かいミスで勝利を逃した。2点を先制した二回の守備。無死一塁から小原海月二塁手(3年)が失策。さらに次打者の投前へのバントを一塁手との連係ミスでベースをがら空きに。無死満塁とピンチを広げると、暴投と2点適時打で逆転を許した。攻撃では、九回1死三塁の同点機で、スクイズを試みるも捕飛。「きょうのゲームは自分のミスで負けてしまった。夏に向けて切り替える」。昨年2度の甲子園を唯一経験した巧打者がリベンジを誓った。