新庄監督 初の延長サヨナラ負けも「いい試合」「村上君、あそこで打つんだから素晴らしい」
■日本ハム1-3ヤクルト(24日、神宮)
加藤がバスターエンドラン成功 作戦ズバリ「センスよ」
延長十一回の末、守護神の北山亘基投手(23)が、相手4番の村上宗隆内野手(22)に痛恨の2ランを浴びて今季初のサヨナラ負け。4時間10分の激闘むなしく落としたが、新庄剛志監督(50)はいつもと変わらず前を向いていた。
試合後、「いや~いい試合でしたね」と登場。「いまヒーローインタビューしている内山君。あそこでバックスクリーン、放り込むんだからね。最後の村上君も、北山君との力の勝負で。あそこで打つんだから素晴らしいですよ」と振り返った。
現役時代から「好き!セ・リーグで10年くらいやってたからね」というセ・パ交流戦。初戦から常識にとらわれないビッグボス采配を見せた。打線を「9番から1番につなげたい」と、先発投手の加藤を8番で起用。0―0の五回に作戦がズバリ的中した。
1死から7番・石井が中前打で出塁し、続く加藤の初球でバスターエンドランのサイン。指揮官の期待に応え、三遊間を破る安打を放ち、チャンスを広げた。これには新庄監督も「びっくりしたね。一応、出してみようかなって、出したら1球でバチンと決めて。センスよ」と仰天。さらに9番・浅間が四球を選び1死満塁。1番・松本剛が左犠飛を放ち、貴重な先制点を叩き出した。
延長十回、無死満塁「男と男の勝負」田口の気迫に屈した
しかし1点リードの八回、中継ぎエースの堀が内山壮に同点弾を被弾。延長戦に突入した十回は無死満塁の絶好機をつくったが、この場面でマウンドに上がった相手左腕・田口の気迫にやられた。
清宮が空振り三振、万波が遊直、宇佐見が空振り三振に打ち取られ、勝ち越し点を挙げられず。敵ながら拍手を送ったビッグボスは「あの気合の入り方は素晴らしい。男と男の勝負、面白かったですよ」とたたえた。
試合前には「セ・リーグはデータがないから、面白いんじゃないかな。この交流戦はガタン(と落ちる)か、『おいおいおい!』(と上がっていく)か。どっちか。中途半端が一番ダメ」と力説していた。セ・リーグとの戦いはまだ始まったばかり。新庄ビッグボスがどんなタクトを振るうのか、目が離せない。