堀2年ぶり50登板 35HPで最優秀中継ぎ争い独走
■日本ハム1-0ロッテ(18日、札幌ドーム)
虎の子の1点を守り切った―。日本ハムは18日、札幌ドームでロッテと対戦し、1―0で快勝。今季初めて最少得点ゲームをモノにし、5位の西武に1ゲーム差と迫った。先発登板のドリュー・バーヘイゲン投手(30)が五回までノーヒット投球の6回1安打無失点と流れをつくった。その後、2年ぶりに50試合登板を達成した堀瑞輝投手(23)ら3人も無失点投球で完封リレー。三回に西川遥輝外野手(29)の適時三塁打で奪った1点を死守した。
勝利の方程式を担い続け、大台に到達した。1点リードの七回に救援した堀がロッテの中軸を12球で料理。危なげなく3者凡退に仕留め、セットアッパーの役目を果たした。109試合目で2年ぶりとなる50試合登板をクリアし「いつもと変わらず、しっかり打者と勝負できた。50試合は毎年目標にしている数字なので達成できてうれしい」と素直に喜びを表した。
今季は43回2/3を投げて、防御率が2.06。抜群の安定感を誇っている。入団した2017年から2020年まで、4年間の通算防御率は5.00。数字だけを見ても、格段に進歩している。
その要因の一つは、思考の転換だ。過去を振り返ると、安打1本を怖がり、投球が窮屈になっていたという。しかし、今は違う。「ランナーを出してもホームにかえさなければいいと考えるようになってから、そんなに慌てることもなく投げられている」と自己分析した。
13年連続で50試合以上に登板している宮西の影響がある。走者をためても動じることなく、ふてぶてしく投げ込む姿がお手本になった。オフの自主トレにも同行して教えを吸収しており「以前は絶対に打たれたくないと思っていたけど、割り切れるようになった。いいところを見習っています」と明かした。
技術的にも進化している。代名詞にもなっているスライダーは改良を施してきた。打者やカウントによって意図的に球速を変え、曲がりの大きさも操作。簡単にアジャストさせない細かい工夫がある。
現在、最優秀中継ぎ投手のタイトルに直結するホールドポイントはパ・リーグ断トツの35。当然、意識はしている。「中継ぎをやっている上で獲りたい賞なので、これからも気を抜かず、しっかり投げて、最後にそれがついてくればいいかなと思います」。
宮西から一人前と認められるためにも、タイトルは譲れない。「自主トレの時もお世話になっているので、何か小さなことかもしれないけど、恩返しできたら」と堀。殻を破った5年目左腕は“師匠”のように、シーズンラストまで強い心でマウンドに立つ。
(榎本真之)