■日本ハム９－６ヤクルト（２６日、神宮）

前夜の猛打賞に続いて大暴れ

　首位打者を快走するバットマンが、２試合連続の固め打ちで逆転勝利に大きく貢献した。「３番・中堅」で先発した松本剛外野手（２８）が、前夜の猛打賞に引き続き、４安打と大暴れした。

　この日もいきなり松本剛のバットがさく裂した。一回１死二塁から小川の低めに沈んでいくチェンジアップをうまく捉えると、風にも乗った低い弾道の打球は、そのまま左翼席に吸い込まれた。２試合連続の２号２ランで松本剛の一日が始まった。

　２点ビハインドの八回には追撃となる左前適時打を放つと、同点の延長十回無死一塁で迎えた第５打席は運も味方した。バスターエンドランと犠打を失敗してしまったが、その間に相手捕手のミスも重なり、走者は二進。「運があるなと思って、すごいプラス思考に変わった。何かセカンドゴロ打てそうだな、ぐらいな感じ」の軽打が一、二塁間を破った。

　この試合４本目の安打でチャンスを拡大し、４得点の猛攻につなげたが「ぼくみたいなタイプは、あそこ一発で送らないと。むしろそこが一番大事になってくるので。バスターエンドラン、バントはしっかり練習します」と反省も怠らなかった。

〝コンちゃんバット〟で安打量産‼

　心強い〝相棒〟が安打量産の一因となっている。練習中のティー打撃では、これまで使っていた長尺バットの他に、ヘッド以外の部分が細くなった特注バットも使用している。長尺バットは体全体で振ることを意識し、今季から手にした特注バットでは、ヘッドを走らせるイメージを体に染みこませている。

　その特注バットは近藤のものだった。「コンちゃん（近藤）がオーダーして作ったのを『コンちゃん、それ使わせて』って言って、今も置いていってくれたので使わせてもらってます」と、負傷で離脱した同級生の心遣いに感謝した。

　交流戦最初の３連戦はいずれも熱戦を繰り広げたが、１、２戦ともにサヨナラ負けを喫した。「きのう（２５日）、おととい（２４日）の負けってみんな相当悔しくて、何とかきょう（２６日）はやり返そうっていう気持ちが、僕含めあったと思う」。チーム全体で悔しさをパワーに変えて、雪辱は果たした。さらなる浮力を生むために、松本剛が先頭に立って快音を響かせる。