23球オール直球勝負―北山 〝仲間〟と臨んだ初の3連投「ボールになろうが一歩も引かずに」
■日本ハム9-6ヤクルト(26日、神宮)
2夜連続のサヨナラ被弾にビッグボス「超えて行け」
2夜連続のサヨナラ本塁打を浴びていた守護神のルーキー北山亘基投手(23)が、オール直球勝負で試合を締めくくった。新庄剛志監督(50)から「ファンのみんなが遅くまで残ってくれて見ているから、超えて行け」と声を掛けられ、4点リードで延長十回のマウンドへ。プロ入り後初の3連投にも、準備は万全だった。
ビッグボスの言葉を受けて「マウンドで逃げるような投球していたら、収穫というか何の成長にもならない。例えボールになろうが一歩も引かずに向かっていくような姿勢で投げよう」と決意。2安打を浴びて1点を返されたが、逃げずに立ち向かった。
終わってみれば、投げた23球全てストレート。起用してくれた指揮官の期待に応え「チームの負けにつながるようなピッチングをしてしまって、本当に申し訳ない気持ちだった。もう、皆さんに感謝です」と頭を下げた。
新人ながら開幕投手の大役を務め、その後は抑えに定着。順風満帆なスタートを切った北山にとって、2戦連続サヨナラ被弾はプロで最初の試練だった。それでも、心は折れていなかった。24、25日とも宿舎に戻ってから「心技体、何が足りなかったのか分析しました」。目を背けたくなる現実と向き合った。
宮西からもハッパ「3日連続打たれて新記録作ってこい」
仲間の存在に救われた。新庄ビッグボスら首脳陣、先輩後輩関係なくチームメートたちは前向きな声を掛けてくれた。25日の試合後、夕食会場に顔を出すと山田勝彦バッテリーコーチが「落ち込みすぎて、来うへんかと思ったわ」と心配してくれた。この日のブルペンでは、中継ぎエースの宮西が「逆におまえ、3日連続サヨナラホームラン打たれて新記録作ってこい。それくらいの気持ちでいけよ」とハッパ。その言葉で気持ちが楽になった。
応援してくれるファンからのメッセージにも胸を打たれた。「SNSを通じて、返すことはできないですけど『応援してますよ』っていう言葉が僕にすごく届いていましたし、すごく力になりました」と感謝した。
プロの厳しさを知った3連戦。教授のニックネームを持つルーキーは、この経験を学びにすることを誓う。
「これを生かさないと次がない。これだけのいろんな方々の後押しがあってのマウンドだったので、それを生かすしかぼくの選択肢はない。さらにいいピッチャーになりたいです」。支えてくれる仲間たちがいれば、北山に怖いものなんてない。