■日本ハム４－８巨人（２８日、札幌ドーム）

七回代打で両軍から拍手「本人が一番うれしいんじゃないですか」

　恨み節はなかった。新庄剛志監督（５０）は試合後、巨人の中田翔内野手（３３）を絶賛した。トドメを刺された九回の特大２ランに触れ「すごかったね。本塁打はいいタイミングの取り方で、軸回転で完璧に打ったと思うんですけど、その前に代打でセンター前。あの安打は価値がある。余裕を持って打席に入れたんじゃないかな」と分析した。

　昨年８月、中田はチームメートへの暴力行為をきっかけに１４年間在籍した日本ハムから巨人へ、無償トレードとなった。この日、札幌ドームで久々の出番が訪れた。七回に代打で登場すると、両軍のファンから温かい拍手が送られた。

　移籍の経緯は複雑だったが、新庄監督は「帰ってきて、みんなの前で豪快なホームランを見せられたというのは、本人が一番うれしいんじゃないですか。みんなが笑顔になったと思います」とニッコリ。かつての主砲の心情をくみ取り、優しい言葉を掛けていた。