輝星 甲子園凱旋だ! 6月5日阪神戦の先発決定
18年夏に〝金農旋風〟巻き起こした聖地
甲子園凱旋だ―。日本ハムの吉田輝星投手(21)が6月5日の阪神戦(甲子園)で先発登板することが決まった。プロ2年目の2020年3月6日にオープン戦での甲子園登板はあったが、公式戦では初となる。新庄監督も甲子園の元スターに「やっぱ盛り上げたいじゃないですか」と、演出に一肌脱いだ。18年夏に〝金農旋風〟を巻き起こし、特別な球場と語る吉田は「ワクワクします」と胸を躍らせた。
中継ぎで結果積み上げ
しっかりと結果を積み上げて、思い出の〝聖地登板〟をつかみ取った。吉田はここまでリリーフ中心に20試合に登板。短いイニングのみならず、ロングリリーフもこなすなど、投手陣を支えてきた。
21日の試合前練習で新庄監督から阪神戦の先発を告げられ、吉田はガッツポーズ。右腕にとっても特別な球場だ。金足農高3年時、夏の甲子園大会ではエースとして躍動。決勝こそ根尾(中日)、藤原(ロッテ)擁する大阪桐蔭高に敗れたが、吉田の投じた全881球は見る者の胸を打った。
春季キャンプ中に阪神の藤川球児スペシャルアシスタント(SA)の教えを受けた影響もあり、直球の伸びは増している。新庄監督も「真っすぐを投げると分かっていてファウルにさせている。自信もついてきただろうし、それがボールに伝わってきているんじゃないか」と甲子園先発を決めた理由を明かした。
その進化した「火の玉ストレート」を甲子園でも披露する。吉田は「本当に良かった時とかは藤川さんから連絡もあるのですごく感謝してます。甲子園までに仕上げられれば一番いいですね」と同球場で活躍した藤川SAのように、直球で打者を押し込んでいくつもりだ。
BIGBOSSの粋な計らい
新庄ビッグボスの粋な計らいで実現したが、何よりも救援で成績を残してきたことが大きい。武田投手コーチは「中継ぎの中で徐々に彼らしさが出てきている」と評価した上で「次が先発だからと言って、先発に戻るわけではない。まずは1年間、1軍にいることを経験させることが大事。段階を踏む一歩目だと思っていただければ」と、今後もポジションは中継ぎ中心となりそうだ。
31日からはベンチを外れ、先発調整へと回る。今季の球数は先発した3月27日のソフトバンク戦での60球が最多。その他は全て中継ぎで40球を超えた登板はなく、同コーチは「そんなに長いイニングは望まないで、行けるところまで、という起用法になると思う」と説明した。
吉田の甲子園凱旋という誰もが注目する一戦。水を得た魚のごとく、聖地のマウンドで躍動感たっぷりの投球を見せるはずだ。