小村優太 兄の意地で逆転初V 前日首位の弟・隼士を捲る 道アマゴルフ選手権
▽道アマゴルフ選手権最終日(31日、千歳・ザ・ノースカントリーGC=7003ヤード、パー72)
首位と3打差、5位タイでスタートした小村優太(21、真駒内CC、福岡・日本経済大4年)が4バーディー、2ボギーの70。4日間通算298で初日4位タイからの逆転初優勝を果たした。最大飛距離350ヤードのドライバーと距離感抜群のアプローチを武器に、昨年2位だったリベンジに成功した。上位5人は28日に開幕する日本アマ選手権(広島CC八本松C)の出場権を獲得した。
最終18番のパー5。小村優がパーパットを沈めると、ようやく笑みがこぼれた。2位に3打差をつける逆転劇に「最終日、いいゴルフをしてやろうと強気でいきました」と、笑顔で優勝カップを掲げた。
2番でボギーを叩き、迎えた315ヤードの5番パー4。「1オンを狙って、思い切りぶん回した」と、第1打を得意のドライバーでグリーン近くまで運ぶと、第2打をピン側80センチにつけて楽々バーディー。さらに6番でも連続バーディーとなり、「5番、6番で、取れたのが大きかった」と勢いに乗った。
オフに鍛えた残り100ヤード以内のショット精度がスコアを支える。練習の8割をアプローチとパターに費やし、「余裕がどんどんできてきた。その分、ティーショットを大きいクラブで狙った時も、外しても大丈夫」と思うことができ、最大の武器のドライバーがさらに生きるようになった。
最終18番は536ヤード。第1打を約300ヤードのビッグドライブで残り240ヤードとした。ここで「左の池には絶対に入れたくない」と3番ウッドを抜き、第2打はセイフティーにグリーン右のバンカーへ。ここからのショットを見事一発でピン側に寄せて勝負ありとなった。
初日から、弟の隼士(真駒内CC、東北福祉大1年)が首位争いをし、3日目を終えてトップタイ。兄・優太は「自分の弱いところなんですけど、意識がそっちにいきかけていた。何くそ、このやろうって」と苦笑い。2日目までは一緒の車で会場入りしていたが、3日目からは別々の車に。弟はさほど気にしていなかったが、兄は「張り詰めた雰囲気でやらないと頑張れないんで」と、プレーに全集中していた。
それでも日本アマ初出場の弟と同時出場が決まり、「うれしいです。自分よりうまい部分はたくさんある」と喜ぶ。試合では「当然、負けたくない」と本気でライバル視するが、ゴルフ場を離れれば、仲のいい兄弟であることに変わりはない。
現在、福岡・日本経済大4年生。プロを目指し、この秋には来季の国内男子ツアーの優先出場権を争う予選会(QT)が控える。日本アマは過去2度の予選落ちを経験しているが、「今年はそんなことをしていられない。必ず予選突破」と固く誓う。プロへの登竜門と言われる大舞台で爪痕を残し、次のステージへの糧とする。
◆最終日にスコアを落とし、4位で日本アマ選手権初出場を決めた小村隼士(18、真駒内CC、東北福祉大1年) 「トップアマの雰囲気を感じて、しっかり予選突破したい。自分の事で精一杯で兄のことは気にならなかった」